4日に与那原町で開催された「与那原大綱曳(おおづなひき)」。与那原町民が、熱く燃える1日に密着しました。

綱曳きの朝は「祈り」からはじまります。

綱曳きの朝は「祈り」から


▽与那原大綱曳 実行委員長 山内和実さん
「きょう開催ですので、安全祈願のために来ました。終わったあと、みんなが和気あいあいと、楽しく酒を飲めれば良いと思います」

朝11時。

綱の上に乗り、役柄を演じる「支度(したく)」に選ばれたメンバーが、演じる役の化粧に取り掛かっていました。

与那原大綱曳では、「支度」に選ばれたことは、本番まで誰にも言ってはいけない決まりです。

本番に向け化粧を施す玉城慶悟さん


旗持ちを務める小学5年生、金城颯助くんは…「綱から落ちたら大変」と心配そう。

▽住職役 加藤海夏人さん(高3)
「1週間前に、中学校時代の友達から「人手が足りないからやってくれないか」と誘われた。貴重な体験だと思ったので、是非やろうと」

午後3時。綱の担ぎ手が、集まってきました。   

▽綱曳きに参加する人たち
「親が与那原なので来ました。がんばりまーす!」「横浜からです」「友達呼んで、一緒にお祭りを楽しもうと思って」

気合い十分




夕方になり、国道で「ガーエー」が行われます。ガーエーとは「旗頭」を上げて気勢をあげることで、仲間たちを鼓舞し、勝利への勢いをつけます。

大綱を先導する「前舞い」や「金鼓隊」「ドラ・ボラ」。大綱の頭の部分を持ち上げて運ぶ「六尺」が盛り上げます。

いよいよ会場へ向かう、「道ジュネー」がスタートします。今年は、初めての試みが…

▽タレント 喜舎場泉さん
「ちょっと感極まって涙がでた」「町長はじめ役員のみなさんと「道ジュネー」歩けるなんて、こんな光栄なことありません」

タレント 喜舎場泉さん
女性として初参加


与那原生まれ与那原育ちのタレント、喜舎場泉(きしゃば・いずみ)さん。

地元に恩返しをしたいと、今年、与那原町初の観光大使となり、綱曳きの隊列に参加しました。女性が参加するのは初めてです。

「支度」が綱の上に直に乗り、そのまま担いで会場へ向かいます。その姿は、まるで龍!

午後5時。東の雄綱と西の雌綱を合体させ、「カナチ棒」が差し込まれた瞬間!一斉に、綱が地面にたたき落とされ大綱曳きが始まりました。

大熱戦

3分11秒に及ぶ激しい戦いの末、今年は西が勝利しました。

与那原大綱曳の最大の特徴は、負けた側に勝たせる2回戦があること。「勝っても負けても和気藹々」の精神です。



▽参加した町民は
「人生かけてます。準備に1年かかって」
「綱曳きでしか会えない仲間とかにも会える場所。与那原町民がひとつになれる祭り。最高です」

<取材MEMO>
与那原大綱曳で使用した綱は金武町で取れた藁(わら)で編まれていて、10月の金武町まつりでも使用されるということで、「綱は持ち帰らないでね」とアナウンスされていました。記念に綱を持ち帰る那覇大綱曳とは違うところで、これも個性ですね。(取材 下地ゆみな)

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