フグにフグ毒を与えるとどうなるか?
長崎大学などの研究グループが《無毒のトラフグ》の稚魚にフグ毒を混ぜたエサを与えると、「腸内フローラ」が変化することを初めて明らかにしたと発表しました。

フグ毒=テトロドトキシン(TTX)は、動物の神経伝達をブロックする強力な「神経毒」で、フグの肝臓や卵巣などの内臓などに含まれ、その毒性は青酸カリの千倍以上といわれています。

このフグ毒がフグにとってどのような役割を持つかは十分に分かっていませんが、他の魚からの捕食を回避する効果や、フグ自身のストレス軽減効果が報告されており、「エサを通じて体内に毒を蓄積する」ことが知られています。

長崎大学などの研究グループは、近年フグ毒が「細菌」に対しても増殖阻害効果を持つ可能性が報告されたことを受け、人工的に孵化、飼育した《無毒のトラフグ》稚魚にフグ毒を混ぜたエサを与え、腸内に生息する細菌の集団=「腸内フローラ」の変化を観察した所、「一部の細菌種の組成が変化」することを発見。

脂質代謝や糖代謝など「腸内フローラの機能が変化する可能性」があることが分かったとしています。

腸内フローラの変化がフグに対して良い影響を与えるのか?悪い影響を与えるのか?については「現時点では分からない」としていますが、研究グループではさらに研究を進めることで「よりよい飼育環境の構築や、自然環境における適切な資源管理につながると期待される」としています。

長崎大学大学院総合生産科学研究科・阪倉良孝教授、東京大学大気海洋研究所・濵﨑恒二教授、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程・ワセル マイ大学院生らによる研究グループが31日に発表。

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