今年4月、北海道旭川市で当時17歳の女子高校生が橋から川に落とされ殺害された事件で、旭川地検は2日、19歳の女を殺人などの罪で起訴し、氏名を公表しました。
この事件は、4月当時17歳の女子高校生が車に監禁されるなどしたうえ、旭川郊外の神居大橋から川に落とされて殺害されたものです。
旭川地検は2日、殺人などの罪ですでに起訴された内田梨瑚被告21歳と共謀し、女子高校生を殺害したなどとして19歳の女を、監禁と殺人、不同意わいせつ致死で起訴しました。
旭川地検は、19歳の女の認否を明らかにしていませんが、女は起訴前の警察の調べに対し否認していました。
起訴状などによりますと、4月18日午後11時40分ごろから約4時間、内田被告、16歳の少年と共謀し、留萌市の17歳の女子高生を軽乗用車で旭川市まで監禁、途中、立ち寄った旭川市のコンビニエンスストアなどで馬乗りになって顔を殴るなどし、抗えない精神状態に追い込みます。
さらに、19日午前3時29分ごろから午前3時48分ごろまでの間、旭川市郊外の渓谷、神居古潭の神居大橋付近で、着衣を脱ぐよう命じて全裸、土下座で謝罪させる様子をスマートフォンで撮影。
そして、神居大橋の欄干に座らせて「落ちろ」「死ねや」などと言いつけ、約10メートル下の石狩川に落とし、殺害した罪に問われています。
女子高生は5月下旬、下流で遺体で見つかり、死因は溺死でした。
事件のきっかけは、内田被告がラーメンを食べる様子の画像を女子高生が無断でSNSに使ったことで、内田被告に「どう、落とし前つけんの?誰に喧嘩売ってんの?」などと脅された女子高生は、解決金として、電子マネーで10万円を払うことを提示。
しかし、送金が上手くいかず、内田被告らが殺害の前日、留萌市の道の駅を訪れ、初めて女子高生と会ったとみられています。
検察は、認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、内田被告は取り調べに対して「橋から落ちたかどうかは知らない。置いてきただけだ」などの旨の供述で、否認を続けていたということです。
この他、捜査関係者への取材では、下記のような趣旨の供述などがわかっています。
・19歳の女は内田被告から“舎弟”と呼ばれていた
・女子高生はコンビニエンスストアで店員に助けを求めていたが、内田被告などから「この子はおかしくなっているので、取り合わなくていい」などと誤魔化されていた
・現場付近について「人目につかず、防犯カメラがないことを知っていた」
・現場付近で、女子高生が着用の衣類発見
・女子高生のスマホは神居大橋以外の場所から壊された状態で発見
・謝罪させられたり、欄干に座らされたりする動画残る
◇一連の犯行は、内田被告が主導したとみられていますが、旭川地検は「事案が重大であることと社会的関心を踏まえ氏名を公表するのが相当と判断」し、実名を公表しています。
HBCでは、18歳と19歳の特定少年の被告を実名で報じるかどうか、事件ごとに判断しています。
今回の事件は、1人の高校生の命が失われた結果の重大性、社会的影響の大きさなどを総合的に判断した結果、地上波テレビ放送では実名で報じることにしました。
なお、デジタル配信の記事は、半永久的に残るインターネットの特性を考慮して匿名で報じています。
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