去年5月から今年2月にかけ、勤務先だったJA大樹町で、組合員らの定期貯金口座を勝手に解約するなどし、合わせて3100万円余りを盗んだ罪に問われている28歳の元職員の女の裁判…2日午前、約991万円分の公判が開かれ、女は起訴内容を認めました。

 起訴状などによりますと、JA大樹町の元職員、仲澤明穂(なかざわ・あきほ)被告28歳は、去年5月から今年2月にかけ、JA大樹町の組合員らの定期貯金口座を勝手に解約するなどし、合わせて3100万円余りを盗んだ罪に問われています。

初公判の廷内(2日午前、釧路地裁帯広支部)

 このうち、今年1月12日と2月15日、合わせて約991万円を盗んだ罪の初公判が2日午前、開かれ、仲澤被告は「間違いありません」と述べて、起訴内容を認めました。

仲澤被告は約991万円分の窃盗について「間違いありません」

 発覚は2月末、窓口を訪れた客から「自分の口座が消えている」という問い合わせがあり、内部で調べたところ、20数人の顧客の40件以上の口座で被害が確認されました。

事件現場となったJA大樹町

 被害総額は、約6700万円に上り、懲戒解雇された仲澤被告は当初「自宅に置いておくのが怖くなり、ごみステーションに捨てた」などと話し、自宅にあった199万円だけ返却していました。

 その後、窃盗の疑いで逮捕、起訴されて迎えた初公判で、検察は動機などについて、下記のように指摘しています。

■検察の冒頭陳述などで指摘

・2018年、JA大樹町に就職し、貯金に関わる業務
・2021年、旅行で訪れた札幌市で、30万円のブランド品のバッグ購入
・その後、ブランド品の購入のため、消費者金融から借り入れ
・返済に苦慮
・交際相手にも、ブランド品のバッグや時計を購入して贈る
・2023年、JR札幌駅に隣接する百貨店では、180万円もの買物
・高齢の組合員なら定期貯金の解約に気づかないだろと考え、犯行に及ぶ

警察車両で、検察庁に身柄を送られた仲座被告(今年5月)

 検察の指摘の途中、下を向き、すすり泣く様子も見せた仲澤被告…弁護人も「控訴事実に争いはありません」と述べ、初公判は終了し、9月13日の次回、残る約2180万円分の起訴内容をめぐる公判が開かれます。

仲澤被告

 今のところ罪に問われてるのは、懲戒解雇時に公表された被害総額、約6700万円の半分以下ですが、今後、どこまで全容が解明され、罪に問われるのでしょうか。

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