飼育していた小型犬のジャック・ラッセル・テリアにエサや水を与えない虐待行為をし、衰弱させたとして、81歳の元ブリーダーの男性とその娘が書類送検されたことがわかりました。男性は任意の調べに「金がかかるからエサをあげなかった」と話しているということです。

動物愛護法違反などの疑いで、きのう、書類送検されたのは、埼玉県毛呂山町の元ブリーダーの男性(81)とその娘(40)です。

捜査関係者によりますと、男性と娘は今年5月12日、自身が経営していた毛呂山町の犬の飼育場で、小型犬のジャック・ラッセル・テリアにエサや水を与えず衰弱させる、虐待行為をしたということです。

また、娘はこの飼育場の動物取扱責任者だったにもかかわらず、小型犬2匹に対し、狂犬病の予防注射を受けさせていなかった疑いでも書類送検されました。

いずれの犬も、ペットショップなどで販売される子犬を産むために飼育され、年齢や体力の低下などで繁殖ができなくなったいわゆる「繁殖引退犬」とみられています。

警察が家宅捜索を行ったところ、犬のケージに、ジャック・ラッセル・テリアが衰弱した状態で入れられ、中にはエサ皿や水入れがなかったということです。

ケージにはガムテープで「バツ印」がつけられていて、警察は繁殖ができなくなった犬とほかの犬との見分けをつけるために「バツ印」をつけていたとみています。

捜査関係者によりますと、2人は日常的に虐待を行い、「繁殖引退犬」を意図的に餓死させようとしていたとみられるということです。

ジャック・ラッセル・テリアは、保健所に命が危険な状態で保護されましたが、その後、回復したということです。

男性は任意の調べに対して「金がかかるからエサをあげなかった」と容疑を認める話をしていて、娘は「父から『いらない犬だからエサをあげるな』と指示された」「『注射も金がかかるからするな』と言われた」と話しているということです。

男性は今年6月、小型犬を生きたままビニール袋に入れて窒息させて殺したとして逮捕され、その後、略式起訴となっていました。

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