こちらは静岡県富士市にある「富士山夢の大橋」です。富士山に向かう階段としてSNSで話題となり、外国人観光客が多く訪れています。そこで、せっかく富士市に来てくれるのなら、外国人観光客にもっと市内に留まってほしい。市や地元の関係者などが、次なる策を打ち始めています。

富士市の国道139号にある「富士山夢の大橋」です。SNS映えする雄大な富士山を写真に収めようと、海外から観光客が訪れていました。

<韓国から来た観光客>
「私たちは韓国からきました」
Q.この場所は何で知りましたか?
「インターネットで知りました」
「富士山は本当に高いし、きれいで美しいです」
<ミャンマーからの留学生>
「SNSをみんな使っているから」
「こういうものを広げるのは1番いいと思います」

1日平均120人ほどの観光客が訪れる「富士山夢の大橋」。夢の大橋をきっかけに、富士市の観光振興につなげたいー。市や商店街、観光関係者などが、動き始めました。スマートフォンと人形を手に、富士山夢の大橋で撮影しているのは、富士市の職員です。

「もっと上がいいんじゃない?」
<富士市交流観光課 松村岳典課長>
「ここから市役所までけっこう近いから、来て、せっかくなので屋上からきれいな富士山を見ていってもらいたいなとここからのルートを撮っています。インスタグラムで流そうかなと思っています」

外国人観光客が訪れるきっかけのほどんどは、SNSです。そこで市は、公式SNSを立ち上げて、市内各所にある富士山のビュースポットを配信し始めました。富士市のキャラクターを使って、様々な場所へのアクセスを紹介しています。

<富士市交流観光課 松村岳典課長>
「普通にやるとバカみたいですけど、早送りするので」

富士市役所屋上の「ふじさんてらす」に到着しました。

<富士市交流観光課 松村岳典課長>
「せっかくなので地域の人たちに還元するためにも、地元で回遊して食事をしてもらったり、買い物をしてもらったりするような仕組みづくりをしていかなければならないと思います」

こちらは、JR富士駅の近くにあるゲストハウスです。

<ゲストハウス富士と碧 東條杏菜さん>
「どこに行きたいですか?」
<フランスからの宿泊客>
「ここ(富士山夢の大橋)には、どうやって行くの?」

このゲストハウスでは、富士山目当ての外国人観光客に独自のパンフレットを作り、市内のビュースポットや商店街の飲食店などを積極的に紹介しています。

<ゲストハウス富士と碧 東條杏菜さん>
「ここからの富士山を見ながら、富士の名物の食べ物を食べていただいたりとか、富士の町を観光する楽しさを知ってもらいたいと思ったので」

東條さんたちは、商店街や周辺の店などと協力し、食事付きの宿泊プランも考えています。富士本町商店街で約100年前から続く飲食店です。

<そば食事処金時 時田大嗣さん>
「おまたせしました」
<ゲストハウス富士と碧 東條杏菜さん>
「ありがとうございます。すごい」

名物の「かつ皿」に、サクラエビの3種盛り、黒はんぺんのフライ、きくらげの天ぷらを乗せた蕎麦など、地元の食材をふんだんに使ったメニューです。

<ゲストハウス富士と碧 東條杏菜さん>
「サクラエビはみんな食べたがるので嬉しいです。富士に来たのであれば、富士市内を観光して、富士を満足してほしい」

<そば食事処金時 時田大嗣さん>
「もっと富士市を楽しめるようなことができれば、よりいいんじゃないかなと思います。チャンスではないでしょうか」

SNSをきっかけに、世界中の人々が富士市に訪れるチャンスをどう生かすのか。官民ともに期待は高まっています。

この富士山夢の大橋をめぐっては、一部の観光客が、中央分離帯に立ち入ったり、車を無断停車したりするなどの行為が問題となりました。行政や関係機関は先月までに、立入り防止のフェンスや駐停車ができないように車止めを設置するなどの対策を実施しています。富士山夢の大橋だけに観光客を集中させることなく、富士市全体の魅力を高める仕掛けや工夫が大切になります。

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