静岡市に住む70代の女性が、元気なうちに行うお葬式「生前葬」を開きました。大切な人に、直接感謝を伝えられる場を「生前葬」など、終活への意識がいま高まっています。

<田島和子さん>
「かんぱ~い」

田島和子さん、74歳。彼女が開いたのは「生前葬」です。「生前葬」とは、本人が元気なうちに行うお葬式のことです。一般的な葬儀と違い、本人が家族や友人と会って直接話せることが1番の特徴です。

<田島和子さん>
「私も今、70歳を過ぎて、生きるってなんだろう、死んでいくってなんだろうとか、人生を振り返るときにちょうどいい年ごろになりました」

いま、田島さんのように生前葬など、終活を始める人が増えています。中高年の男女を対象にした調査によりますと、終活が必要だと思う人は約8割(76.8%)、すでに始めている人は4割(39.2%)にのぼり、特に女性の割合が高くなっています。また、必要だと思う終活の中で、「会いたい人に会っておく」も16.5%と高い傾向です。(出典:「ハルメク生きかた上手研究所調べ」50歳〜79歳が対象※2023年の調査)

田島さんが営む花屋です。43歳の時にこの店を開きました。好きな仕事をして、元気いっぱいの田島さん。なぜ、生前葬を開こうと思ったのでしょうか。

<田島和子さん>
「生きている中で自分が、その時は一生懸命生きているからわからないけれど、時々振り返ってみて、自分はこんな人生を歩いてきた、私は本当に必要だったんだとか確認するチャンスが必要だと思う」

田島さんの生前葬には、友人ら約10人が集まりました。そのひとりが、好きなバンドがきっかけで出会った「山ちゃん」こと山下光之さんです。

<田島和子さん>
「山ちゃんと一緒にいる時間が、私の中では宝物です」

<山下光之さん>
「生前葬をやると聞いた時に、何かあったんじゃないかと思って。元気な姿を見て、遠くに離れてるんだけど会うって大事だなと感じて。これからもずっと仲良くしてください」

お葬式とはまったく違う、すべての人にとって笑顔のあふれる時間が流れました。

<田島和子さん>
「とっても幸せ。本当にみんなといる時間が楽しくて、言葉では言い表せられない。本当に幸せ」

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