北海道奈井江町で、地元の猟友会が報酬額の低さなどを理由にヒグマ駆除の活動を辞退した問題。
町は報酬を増額したうえで、新たに11人のハンターにヒグマへの対応を委嘱しました。
奈井江町では今年5月、地元の猟友会が報酬額の低さや人手不足などを理由に、ヒグマ駆除の活動を辞退しました。
その後、町は猟友会に駆除を依頼することを断念していました。
これまで町が猟友会に示してきた報酬額は、出動1日で「8500円」。
発砲した場合は「1800円」を加算するものでしたが、猟友会に辞退されたため、町は新たな報酬の仕組みを設けました。
新たな仕組みでは4800円の日当を基本とします。
そのうえで巡回やわなの設置などに1時間あたり1400円を加算、クマの駆除が切迫している場合は加算額を1時間あたり2100円に増やします。
また、捕獲した場合はこれまでどおり2万円を支払うと定めました。
仮に8時間稼働した場合は最大で4万1600円が支払われることになります。
そのうえで町は30日、地元などのハンター11人をヒグマへの対応にあたる「鳥獣被害対策実施隊」として新たに委嘱しました。
鳥獣被害対策実施隊 北村義行さん
「ヒグマを取ったことある人、経験のある人を11人選別して、きのう(委嘱して)もらった」
委嘱を受けた奈井江町の北村義行さんは、これまでシカの駆除を請け負う傍ら、クマが出た時にはボランティアとして出動していました。
鳥獣被害対策実施隊 北村義行さん
「奈井江町民が安全に暮らせるように俺はやっている。何かあれば11人にすぐ連絡すればクマを駆除する。そういう体制」
報酬の増額と新たな駆除の体制が整ったことに住民は…
奈井江町民
「最初に提示されたお金は本当に安い。危険なのにって思った」
「これで猟友会が納得するかは別として(報酬が)上がっただけでもよかった」
一方、町と決別した地元の猟友会は新しい体制が機能するのか疑問視しています。
北海道猟友会砂川支部奈井江部会 山岸辰人部会長
「要はただのパフォーマンスでしょう。実施隊をつくったという形が必要なだけで、それが使える、機能するかは別問題」
ようやく決着がついた駆除の報酬をめぐる騒動。
奈井江町は「新しい体制のもとで住民に安心してもらいたい」とコメントしています。
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