気象庁の海洋気象観測船「啓風丸」の船内が30日、報道向けに公開されました。線状降水帯の予測精度向上につながる観測を行っている船内の様子とは?
およそ2年ぶりに鹿児島港にやってきた「啓風丸」。気象庁が2隻持っている海洋気象観測船のうちの1隻です。
年間およそ220日航海していて、近年の大雨災害の原因でもある「線状降水帯」の予測精度を上げるため、海上で気象データを集めています。
精度向上の鍵が、線状降水帯の元となる「水蒸気」の観測です。
(観測員)「こちらの右端にある丸い円盤状のアンテナです」
衛星を利用し、上空の水蒸気の量をはかる「GNSSアンテナ」です。10分おきにデータを自動で観測し、気象庁に送っています。ほかにも、GPSのついた大きな風船を多いときで1日4回飛ばし、上空の水蒸気量や気温、気圧を観測しています。
(気象庁大気海洋部 椿修二技術専門官)「線状降水帯予測の精度向上には、海上からの水蒸気の流入を正確に捉える必要がある。まだまだ線状降水帯は解明されていないので、そのために一助になるようなデータをとることが大事になってくる」
大雨災害を減らすため、「啓風丸」は来月3日、次の停泊地・高知に向けて出航します。
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