大阪府が地下駐車場に美術品を放置していた問題。芸術家はあきれかえっています。

 (現代美術作家 山田彊一さん)「もうがっかりで、くそぉという感じだよね。けれども公務員はそんなもんだわと」

 名古屋市在住の現代美術作家・山田彊一さん。民族や妖怪をテーマにした作品が国内外の美術館に収蔵されています。中でも『ケニヤに赤い布とボルト』は1997年に「大阪トリエンナーレ」で特別賞を受賞し、大阪府のコレクションに収められることになりました。

 (山田彊一さん)「(当時は)ものすごくうれしい、いまでも自慢ですよ」

 ところが、それから26年経った去年、山田さんの作品は思わぬ場所で見つかりました。

 去年7月、大阪府咲洲庁舎の地下駐車場に放置されているのが見つかった、評価額2億円以上に上る105点もの美術品。このなかに山田さんの作品が含まれていたのです。

 今年2月に専門家らが調査した結果、15点に破損やカビなどが確認され、山田さんの作品はプラスチックの部分が砕けていたといいます。この調査結果は3月末には府に報告されていましたが、発表されたのは4か月も後の7月25日でした。

 (山田彊一さん)「(Q大阪府からの説明は?)一切ないです。一切ありません。(現代アートの)いちばん良い時代を切り取っている、その作品群が地下駐車場に捨てられているというのは、『文化』の『ぶ』の字もわからん役人たちなんだよなぁ。だから学芸員だけはしっかりと入れてほしい」

 あきれかえる美術作家に対し、府の担当者は…

 (大阪府 府民文化部文化課 本田吾郎参事)「作者や関係者の方々、コレクションは府民の財産ですから、府民のみなさんにも申し訳ないと思っています」

 調査結果の公表が4か月後になった理由については「専門家の意見の整理に時間がかかった」と説明しました。

 (本田吾郎参事)「いままでご連絡を差し上げていないことも、段取りとしてどうだったのか。リスペクトの部分で大阪府としての意識が足りなかったのも事実かもしれません」

 府は今後、作家と連絡を取り美術品の修復を進めるとともに、作品を保管するための方法や人員について検討するとしています。

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