連日の暑さにより、各地で熱中症による救急搬送が相次いでいます。熱中症になってしまったら、あるいは熱中症と思われる人が近くにいたらどう行動すればいいのでしょうか。“最初の措置が肝心”といわれている熱中症の対処・応急処置のポイントなどを深掘りしていきます。

熱中症の“危険サイン”は?

もしかして熱中症かも?と思ったときに見極めるひとつの例として、以下の危険サインがあるそうです。ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長に聞きました。

【熱中症の危険サイン】
・めまい、吐き気
・汗をかかない
・尿の量が減少(脱水症状のおそれ)
・つめが紫色

熱中症の症状が出た場合、▼涼しい場所に移動、▼体を冷やす、▼冷えた経口補水液やスポーツ飲料などで水分補給をするなどの対応が必要になってくるということです。

田代院長は、特に冷えているほうが体温を下げやすいということで、冷えたものでの水分補給を勧めています。

「熱中症」が疑われる人がいたら症状を見極め、呼びかけにも工夫を

自分自身が「熱中症」にならないように対策することはもちろんですが、もし、周りに熱中症と疑わしい人がいた場合、どう対処すればいいのでしょうか。(※1)

【熱中症の応急処置】

チェック(1)
めまい、けん怠感、頭痛、吐き気など「熱中症」を疑う症状がある?

症状があった場合…

チェック(2)
呼びかけに応える?

「はい」としっかりと応えることができた場合
→涼しい場所で服をゆるめ体を冷やすようにしてください。

呼びかけに応えられないような場合
→すぐ救急車を呼ぶようにしてください。

チェック(3)
水分を自力で摂取できるのかどうか

しっかりと飲めた場合
→水分だけではなく、塩分も補給するようにしてください。

摂取できないような状況の場合
→すぐ医療機関へ。そして、発症時の状態などを伝えてください。

チェック(4)
症状が改善したかどうか

改善した場合→十分に休息して回復したら帰宅。

改善しなかった場合→医療機関へ。そして、症状・状態を伝えるようにしてください。

このようなチェック項目が非常に大事になってきます。

ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長は、チェック(2)の呼びかけや、チェック(3)の水分補給にもポイントがあると言います。

▼呼びかけのポイント

<子ども・成人・高齢者>
・場所や時間を答えられるか
・スムーズにやりとりできるか
・話のつじつまが合うか
・呼びかけに目を開けて反応できるか

<幼児>
・呼びかけて返事があるか
・笑うことができるか
・元気がなくぐったりしていないか

▼水分補給のポイント

<子ども・成人・高齢者>
・体を自力で起こすことができるか
・自分で飲み物を持って飲めるか

<幼児>
・ストローで飲み物を吸い込むことができるか

ただし、「熱中症を発症している時に無理やり飲ませると、窒息死の恐れもあるので要注意」とのことです。

自分で「熱中症かも?」と自己判断することも大切ですが、自己判断できないような状況になることもあると思います。周りにいる人が、どのようなステップを踏めばいいかということを覚えておくのも重要になってきそうです。

※1 環境省ホームページより

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