夏休みになって子どもだけでスマホを使う時間が増える…という家庭も多いのではないでしょうか?スマホ利用の低年齢化が進んで、知識や経験が不足したまま、トラブルに巻き込まれてしまうケースもあるようです。

「まわりはみんな持ってる」小学生は半分以上、中高生は9割超

ネットの利用で専用のスマホを使う子どもはどれくらいいるのでしょうか。2023年度に広島県が調査した結果によりますと、小学生では55.6%と半数を超え、中学生では90.6%、高校生は98.5%と9割を超えています。いまやスマホは子どもたちにとっても身近な存在です。

中学1年生
「ほとんどまわりはみんなスマホを持っています。友だちとLINEがしたいのと、外でもゲームがしたくて…」
父親
「中学生になると親の管理が、目が届きにくくなるので、小学6年のうちに正しく使えるよう練習期間をという意味で6年生で買った」

小学3年生
「(Q・いつ買ってもらった?)小学1年生」
母親
「留守番が多いので。TikTok見たり、YouTube見たり」

小学6年生
「(Q・スマホ持っていますか?)はい。親と連絡取れるから」

小学6年生の母親
「本を読んだりマンガ見たりとか、あとは友だちとの連絡…」

子どものSNSトラブル 小学生で多いのは「ゲーム課金」

低年齢化するスマホの利用で心配なのがトラブルです。2023年度に広島県消費生活相談窓口に寄せられたSNSやインターネットをきっかけとした消費者トラブルで、未成年の相談件数は239件ありました。窓口に相談していないケースもあるため、実際にはさらに増えると考えられます。

広島県消費生活課 岡田和美課長
「小学生ではオンラインゲームの課金に関する相談が多い傾向がある。中学生や高校生になると化粧品やダイエットサプリなどの健康食品に対する定期購入の相談が多く寄せられる」

小学生で最も多いトラブルが「ゲーム課金」です。保護者の知らない間にオンラインゲームで子どもが無断で課金したという相談です。高額な課金として小学生で約50万円、中学生では約150万円の事例があったいうことです。

広島県消費生活課 岡田和美課長
「保護者の同意を得ずに未成年者が契約を結んだ場合、民法に未成年者取消権がある。ただ本当に未成年者がした契約なのか証明が難しい場合もある」

子どもが無断で契約したことが証明できれば、「未成年者取消権」で返金される場合もあるといいます。広島県はあきらめずに、まずは最寄りの相談窓口につながる電話番号=「188(いやや)」に相談を呼びかけています。

広島県消費生活課 岡田和美課長
「インターネット利用、オンラインゲーム課金のルールを、家族でよく話し合ってあらかじめ決めておくということが大事だと思います」

中学1年生の父親
「LINEなどで『ポイントがもらえます』を信じて、子どもがいろんな人に送ったことがあった」
小学3年生の母親
「『買いますか?イエスノー』『続きいきますか?○×』などそういうのが怖いみたい。難しい漢字が書いてあり、分からないときに『え?』と…」
小学6年生の母親
「連絡先を誰とでも交換したり、動画見たり。制限をかけないといけない。何を見るのか気になりますね」

一番の課題は「親自身のセキュリティーに対する認識の緩さ」

広島市にある携帯ショップの店長は、トラブルに巻き込まれないために「保護者がもっとスマホに慎重になるべきだ」といいます。
有害なサイトの閲覧を制限する「フィルタリング」など、保護者がスマホの利用環境を整える「ペアレンタルコントロール」機能を、積極的に取り入れるよう勧めています。

ドコモショップ西風新都店 菅原大和 店長
「親自身がセキュリティーの大事さの認識がまだまだ緩い状況なのが一番の課題」「子どもとルール決めをせず買い与える方もいるし、何よりも保護者が知識を持っていないケースもほとんどなので、保護者が知識を持ち、どうスマホと向き合うか、子どもと一緒に考えるのがベスト」

青山高治アナウンサー
なかなか難しい問題ですよね。

コメンテーター木村雅俊さん(中国新聞)
表面上だけではなく奥が深い問題。僕の知り合いの40代後半の人が課金で遊びすぎて高額請求になって、小中学生の子どもはやらないのに奥さんにめちゃくちゃ怒られたと…それくらい大人でも勢いでいってしまうことがある。

中根夕希アナウンサー
簡単にそういったところにアクセスできてしまうのが怖さでもある。

青山アナウンサー
 では、実際に子どもたちの間にどんなトラブルが多いのか見ていきます。

 ・小学生=「ゲーム課金」
 ・中高生=「化粧品」…脱毛クリームや美容液など

 これは1回だけで解約できると思ったら定期購入だったとか、次から商品の値段が高額になる契約だったなど色々なパターンがある。

 そして、

 ・高校生=「副業に関する相談」

 アルバイトとしてお金が稼げると銘打って、その前にマニュアル購入してください、などと要求されたりするものです。

青山アナウンサー
 対策としては、保護者が子どものスマホ利用を管理できる「ペアレンタルコントロール」の機能を活用したい。サイトの閲覧・利用時間を制限できるだけでなく、無断でアプリを取り込んだり、無断課金ができないようにする機能ということです。
 そしてやっぱり一番は家族でよく話し合ってスマホ利用のルールを決めることが大事です。
 予期せぬ定期購入にあわないためには、通信販売はクーリング・オフ制度が適用されないので注意し、解約条件など注文サイトの画面を細かく見ることも大事になってきます。

子どものスマホをチェックする?「LINE」が気になる人が多く

青山アナウンサー
 子どものスマホをチェックするかどうかについて、番組で行ったアンケート調査では、「する=51%」、「しない=49%」となり結果は拮抗しています。

 チェックする人にチェックの仕方を尋ねたところ、
 ・毎日いったんスマホを取り上げる
 ・中学3年までは同意のもとチェックしていたが、今はプライバシーもあるので任せている
 ・日々の利用時間も決めて1日15分まででゲームやYouTube、SNSは制限をして閲覧不可にしている

などの回答がありました。

 そして多くの回答が寄せられたのが「LINEが気になる」というもの。
 ・LINEの中身を確認している
 ・LINEの言葉使いや、知らない人とつながっていないかをチェック
 ・LINEの中でトーク画面や友だちにだれがいるかを確認

といった回答が寄せられました。

中根アナウンサー
 細かにチェックしている家庭もあれば、任せている家庭もある。親がしっかり知識を持つことが大事になりそうですね。

青山アナウンサー
 夏休みは親子で話をするいいチャンス。一緒にSNSについて学んだり話し合ったりする時間をとるのはいかがでしょうか。

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