山形・秋田では記録的大雨になっています。森田気象予報士が、その要因と今後の雨の予想を解説します。
■山形・秋田 記録的大雨で厳重警戒
【山形・秋田で記録的大雨 48時間降水量】※7月24日~26日午前11時
山形・新庄市 403.5ミリ(平年の約1.8倍)
山形・酒田市 304ミリ(平年の約1.4倍)
秋田・北秋田市 270.5ミリ(平年の約1.2倍)
気象予報士 森田正光さん:
雨が短時間で凝縮されて降ったことにより、災害に結びついてしまいました。
南波雅俊キャスター:
山形・新庄市では車が流される被害がありました。死者1人、心肺停止1人、行方不明者2人という現状です。
警戒レベル5の緊急安全確保による避難対象者数は、山形・新城市で3万2141人、戸沢村で1241人、鶴岡市で63人という状況です。
山形・秋田の大雨によるライフラインの影響です。
【停電】秋田県:約70戸 山形県:約3200戸 ※26日午後5時時点
【上水道の断水】秋田県:約100戸 山形県:約1000戸
【山形新幹線】山形~新庄駅間 26日・終日運転見合わせ
【JR奥羽本線】山形~新庄駅間、新庄~横手駅間 26日・終日運転見合わせ
森田気象予報士:
太平洋高気圧のへりを回って、湿った空気が入ってきました。本来この時期は、西日本や山陰地方で集中豪雨が起きるのですが、今回は北日本で発生しました。ある意味、季節がずれていると言えるでしょう。
また、日本近海の海水温が非常に高く、特に北日本では3~5度も高いです。そこから湿った空気が大量に送り込まれて、今回の大雨に繋がったと思います。
南波キャスター:
今後の山形・秋田の天気は、どうなっていくのでしょうか。
森田気象予報士:
26日の夜、雨が一旦治まったとしても、次々に雨雲がやってきます。25日も特別警報が一旦解除された後、また雨が降りました。今後も断続的に雨が補給される体制が続いているため、次の雨に注意しないといけないという状況が続くと思います。
南波キャスター:
今後も氾濫・決壊も含め、様々な土砂災害に注意していかないといけないですね。
森田気象予報士:
これまでの雨で相当地盤が緩んでいるため、今後の雨量が少ない場合も、それがきっかけで災害の発生が十分に考えられるので注意が必要です。
南波キャスター:
27~30日まで雨予報が続いています。
森田気象予報士:
まだ梅雨明けが見通せない状況です。
上村彩子キャスター:
今村さんは、小説をきっかけに新庄市の観光大使をされていますが、新庄市の現状をご覧になってどう思われますか。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
新庄市は何年かに一度の割合で水害が起きるのですが、ここまでの甚大な被害は見たことがありません。私は新庄市の消防士がモデルの小説でデビューしたこともあり、出動されている消防士に顔見知りの方もいます。大変な状況ですが、頑張ってほしいと思っています。
新庄市は天災からの復興をかけた『新庄まつり』が8月に控えています。皆さんが楽しみにしている復興の象徴の祭りなので、大変でそれどころではないかもしれませんが、心のよりどころも含めて開催に間に合えば良いなと思います。
森田気象予報士:
梅雨前線が長く停滞するので、30日ごろまでは警戒が必要です。
南波キャスター:
避難されている方は、土砂災害だけでなく熱中症にも十分に警戒してください。
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<プロフィール>
森田正光さん
気象予報士
今村翔吾さん
「塞王の楯」で第166回直木賞受賞
歴史・時代小説家 30歳までダンス講師
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