空一面を埋め尽くす黒い鳥。正体は「ムクドリ」です。数万羽になることもある黒い群れに住民が困惑しています。

愛知県豊橋市。日が落ちるころ、街にある異変が。

(森本琴衣記者)
「街路樹に鳥の大群が!電線の上にもびっしりいます」

街路樹や電線に止まる鳥・鳥・鳥。異様な数に、思わず動画を撮る人も。

(豊橋市民)
「すごいと思って(写真を撮った)」
「すごくうるさい。何だろうこれ」

駅前にある繁華街の街路樹にも大群が。

(豊橋市民)
「鳥のフンが落ちてきそうで嫌だな」
「木の下は絶対近づかないようにしている」
「ここだけじゃなく 奥にもいいっぱいいる」
「正直いなくなってほしい」

“安心して寝られる場所”として都会に集まる

取材中にも。

(記者)「背中のこれ、フンじゃないですか」
(カメラマン)「マジか…最悪だな」

カメラマンの背中にフンが。

鳥の大群のその正体は…

(名城大農学部 橋本啓史准教授)
「ムクドリでよいと思います」

この黒い鳥はムクドリ。都市部の鳥類を研究する名城大学の橋本啓史准教授によりますと、ムクドリは数十羽から百羽以上の群れで生活し、日中はエサを探しに畑などに出かけているといいます。では、なぜ日没の時間帯に駅前などに集まるのでしょうか。

(名城大農学部 橋本啓史准教授)
「都会の方が天敵となるタカやフクロウが少ない。駅前や繁華街は明るくて、天敵を見つけやすい。“安心して寝られる場所”として都会に集まる」

ビルの屋上からムクドリを探してみると。

(森本琴衣記者)
「集まってきました。帯のように飛んでます」

駅前には25年以上前から… 嫌がる音を流しても“慣れて戻ってきた”

街路樹などのねぐらには複数の群れが集まり、数千羽から数万羽になることも。

ムクドリのねぐらは名古屋の都市部など全国にありますが、豊橋駅前には25年以上前から集まっているといいます。街路樹の管理を行う豊橋市公園緑地課も様々な対策を行ってきました。

「ただいまから、ムクドリを追い払うテープを流します」

2000年の映像です。ムクドリが嫌がるという音が流れ出すと、黒い群れが一斉に飛び立ちます。効果は抜群のように思えましたが。

(豊橋市公園緑地課 夏目泰裕専門員)
「一定の効果はあったが、ムクドリが慣れてしまって戻ってきてしまう状況に」

現在は鷹匠に依頼し、鷹を使って追い払っています。しかし。

(豊橋市公園緑地課 夏目泰裕専門員)
「ムクドリが移動するだけ。結局いたちごっこになってしまう。今後もっとよい方法が見つかれば切り替えていきたい」

ムクドリとの戦いはまだまだ続きそうです。

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