乗客乗員あわせて121人を乗せた高速ジェット船が東京から伊豆諸島へ向かっている最中、自力での航行ができなくなりました。海上保安庁の巡視船などが、えい航を続けていますが、体調不良を訴えている人もいるということです。

出発から15時間以上、乗客は海上で夜を明かすことになります。自力での航行ができなくなった高速ジェット船「セブンアイランド愛」。子どもを含む乗客116人と、乗員5人が乗っていました。

24日午後2時半ごろ、ジェット船をえい航するためのタグボートが近づきますが、船と見られる映像には、波に大きく揺られる様子が。投げられたロープを受け取り、必死に船をつなぎます。

船長から海上保安庁に通報があったのは、24日午前10時ごろ。

船長の通報
「油が漏れて舵がきかなくなり、自力で航行できなくなった」

船を運航する東海汽船によると、 船は24日午前7時45分に東京の竹芝桟橋を出発し、伊豆諸島の式根島に向かっていました。しかし、途中で航行できなくなり、千葉県の野島崎沖の南西で漂流していたのです。

記者
「一時漂流していた船は、伊豆大島にある、こちらの岡田港にえい航されてくるということです」

乗客を迎える準備をした観光協会は…

大島観光協会 事務局長
「夕方には乗船人数全員の宿が確保できた。少しでも早く体を休めていただきたい」

海上保安庁の巡視船などが伊豆大島の岡田港に向けてジェット船をえい航していました。しかし、途中でロープがスクリューに巻き込まれるなどトラブルがあり、作業は難航したといいます。

東海大学海洋学部 山田吉彦 教授
「外に出られるタイプであれば他の船に移す、ヘリで救助も考えられるが、この船は高速で走るもので窓が開かない、外に出ないタイプ。安全が確保できないということで、えい航する方法が選択された」

乗客のうち3人が体調不良を訴えているといいますが、船の状態はというと…

東海大学海洋学部 山田吉彦 教授
「かなり揺れていると思います。特にこの船、水中翼で浮いて海上を船体が走るタイプなので、非常に軽くなっている。その分、波や風の影響を受け、揺れやすい」

東海汽船によると、乗客が伊豆大島に到着するのは、早くても25日午前4時ごろになる見込みです。

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