飯田市で建設中のリニア中央新幹線の長野県駅の土木工事に関して、JR東海は、これまで示してきた計画より5年9か月遅い、2031年末の完了とする見通しを示しました。

23日夜に、飯田市で開かれた説明会には、近隣住民などおよそ40人が参加しました。


JR東海 杉浦禎信(すぎうら・よしのぶ)担当部長:
「工期の延伸、あるいは開業の遅れというのは、皆様のご期待を裏切る形となった。申し訳ない」

冒頭で陳謝した、JR東海の杉浦担当部長。

その訳は、市内で建設が進む長野県駅の工期の大幅な遅れです。

JR東海担当者の説明:
「協議や工事の状況を鑑み、工事計画の精査を行い、工事期間を2031年・令和13年12月末まで延伸します」

従来の計画では、工事の完了は2026年3月。

しかしJR東海は工期を5年9か月延長し、2031年末の完了とする新たな見通しを示したのです。

理由として挙げたのは、用地取得交渉や埋蔵文化財調査の長期化などで、品川・名古屋間に設けられる予定の6つの駅で、工期の延長が示されたのは長野県駅が初めてです。

JR東海 杉浦禎信担当部長:
「それぞれの工区の状況に応じて一生懸命進めながら、そういったこと(計画見直し)を検討しているというところになります。リニアが走るということが皆さんに対する先ずは一番の我々がやらなければいけないこと。なるべく早く作ること」

今回、2031年末完了とされた工事は高架橋や線路などの「土木構造物」に限ったもので、駅舎の建設や機器の設置などを含めると、全体の完成はさらに先になる見通しです。

住民は…。

住民:
「長引くことにはちょっと疑問を(抱いている)。静岡県が(開業延期の)理由じゃなかったじゃないですか、ここの工事ですよね。この地の発展・繁栄にもつながることだと思うので、止まることなく加速してもらいたい」


住民:
「長いと思いました。どうしてそんなに一気に6年近くも延びるのかなというのは正直思いましたけど、そこはもう、信頼するしかないと思います。疑い出せば前に進みませんし」

県内の着工済みの工区で工期の延長が示されたのは、南アルプストンネルなど大鹿村の2つの工区、それに、南木曽町の2つの工区に続いて5か所目です。

ただ、これ以外の工区についても、JR側は23日夜、「厳しい状況の工区があることは間違いない」と発言していて、他の工区でも延長はありえるとの見方をしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。