鹿児島県鹿屋市で、生後1か月の娘の頭を殴り死亡させた罪に問われている男の裁判員裁判です。男の心理鑑定をした専門家は24日、「幼少期に母親に見捨てられた絶望感や怒りが、一気に噴き出した」と指摘しました。

傷害致死の罪に問われているのは、肝付町新富の会社員・中島夏輝被告(26)です。

起訴状などによりますと、中島被告は2020年2月、当時住んでいた鹿屋市の自宅で、娘の心絆ちゃん(当時1か月)の頭をこぶしで殴り、頭蓋骨骨折などの大けがをさせ、死亡させたとされています。

24日の証人尋問では、中島被告の心理鑑定をした臨床心理が専門の山梨県立大学大学院・西澤哲教授が法廷に立ちました。

西澤教授は「被告人は幼少期に母親に見捨てられ、16歳で自立を強いられた」「その絶望感や怒りが、娘が泣き止まない中で一気に噴き出した」と指摘しました。

一方、検察からは「被告の不満や不安が犯行に与えた影響はどの程度か」と問われると、西澤教授は「どれくらいとは言えない」と述べました。

これまでに、検察は「『妻から家事を丸投げされた』と思っていらだった上に、泣き止まない娘に怒り、殴った」と指摘しています。

裁判は今月25日に結審し、30日に判決が言い渡されます。

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