「ハンドパワーでどんな病気も治る」と誘われセミナーの受講料などを騙し取られたとして、セミナーを主催する福岡市の企業などに対し、元会員らが約2460万円の損害賠償を求めた裁判で、福岡地裁は24日、企業などに対し、約2440万円の支払いを命じました。

訴えを起こしていたのは福岡市東区の気功療法のセミナー企画会社「アースハート」と後継団体とされる一般社団法人「セントマザー」の元会員34人です。

原告らは、「ハンドパワー(=手かざし)」を習得すれば本人や家族の病気が治るとセミナーに勧誘され、50万円ほどの受講料を支払ったものの、実際には効果がなかったとして両団体と設立者2人に対して約2460万円の損害賠償を求めていました。

24日、福岡地裁の林史高裁判長は「科学的・医学的裏付けを欠くものであるにもかかわらず、病気が治せるなどと虚偽の内容を含んだ宣伝をしていた」「病気を治したいという会員の切実な思いにつけ込んだ」などと指摘し、両団体と設立者に対し、約2440万円の支払いを命じました。

アースハートをめぐっては、2015年に同様の損害賠償を求める裁判で非科学的な治療の違法性が認められ、最高裁で賠償を命じる判決が確定しています。

後継団体「セントマザー」に対して賠償が命じられたのは今回が初めてです。

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