宮城県石巻市のローカルヒーロー「シージェッター海斗」は今年、誕生から20周年を迎えました。イベントでは新しいシナリオによるショーも披露されました。ファンを魅了する取り組みと陰で支える男性を取材しました

シージェッター海斗の誕生秘話

7月20日と21日、石巻市の中瀬公園で行われたマンガッタンフェスティバル。訪れた人たちのお目当ては石巻市のローカルヒーロー「シージェッター海斗」です。怪人を倒す大迫力の水上ショーを訪れた人たちが楽しみました。

訪れた人:
「かっこよかったー!」
「(魅力は)地元に近い所です。凄くクオリティが高くて、そういう(ヒーロー)が地元にいるのは誇りです」
「ファンと距離が近いところがすごく魅力的だと思います。写真撮らせてくれたりファンサをしてくれたりそれがすごく嬉しいです」

シージェッター海斗は、登米市出身の漫画家・石ノ森章太郎が残したスケッチを元に20年前、石巻市の町おこしの一環で誕生しました。以来、石巻市を中心にイベント出演などの活動を行ってきました。

本番1ヶ月前。この日行われていたのは、ショーに向けた会議です。

シナリオを作る男性とは…

披露するのは誕生20年を記念した新たなシナリオ。担当するのは、まちづくり会社の髙橋智之さんです。

街づくりまんぼう企画営業グループ 髙橋智之さん:
「今までシージェッター海斗ショーを見たことがない方に世界観を知ってもらいたい思いと、これまでに沢山海斗ショーを見ていただいた方にも新鮮な感動を与えられるようなショーにしていきたい」

街づくりまんぼう企画営業グループ 髙橋智之さん

石巻出身の髙橋さんはもともと東京で働いていましたが、震災をきっかけに復興に関わりたいと転職しました。シナリオづくりでは、ショーならではの難しさがあるといいます。

髙橋智之さん:
「設定を活かしつつ、どういった流れで作っていくかが難しいです。(原作には)色んなキャラクターが出てくるが、ショーで使うキャラクターは決まっているので、それぞれの特徴などを改めて漫画で見つける」

髙橋さんの海斗愛…

髙橋さんの海斗へかける思いは、会社の同僚にも伝わっています。

街づくりまんぼう 佐伯誉怜さん:
「シナリオを考えているところを横で見ていて、ああでもないこうでもないといいながら、どうにか言語化して伝えるという姿勢がかっこいいなと思っていました」街づくりまんぼう 本郷由華さん:
「(海斗への)愛があふれているなと素直に思います。なぜなら彼の待ち受けはシージェッター海斗なんです」

髙橋智之さん:
「携帯もパソコンも一緒にして使っています。常に海斗のことを考えられるようにとやっています」

本番を控えたこの日、髙橋さんの姿は石巻市内の震災伝承施設にありました。

髙橋智之さん:
「2011年3月に東日本大震災が起き、石ノ森漫画館も津波に飲まれたが、その後、津波が引いた後にがれきと泥の中から発見されたもの」

がれきから見つかったものは…

シージェッター海斗のモニュメント。震災からおよそ1か月後、スタッフががれきの中から見つけました。

髙橋智之さん:
「津波の被害の大きさをものがたっているかなと思う。こういったものを残していくことによって、後世に少しでも受け継いでいければいいなと思う」

見つかった海斗は、地元住民とスタッフに希望を与え、震災からおよそ2ヶ月後のこどもの日に海斗のショーは復活しました。

髙橋智之さん:
「震災はとても大きい被害を石巻にもたらし、人の気持ちは落ちていたと思うが、がれきと泥からシージェッター海斗がみつかって、石巻のヒーローとして知られる存在なので、復興への希望などの気持ちに繋がったのではないかと思う」

いよいよ迎えた本番。天候にも恵まれ、気合が入ります。

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