大きな災害で断水したときに困るのがお風呂です。能登半島地震では、お風呂の代わりにテント式のサウナが活用されました。静岡県内の企業では、このほど災害時にも活用できる移動式のサウナを開発しました。

静岡県富士宮市の「朝霧CampBaseそらいろ」です。 仲間と共に汗を流す最高のひととき。

<利用者>
「最高です」

このサウナは、移動ができるトレーラー式のサウナです。災害時にも活用できると今、注目されています。

作ったのは、静岡県内を中心に戸建て住宅資材の販売などをする企業です。様々な用途で利用できるトレーラーを作っていて6月、移動できるサウナ「サウナトレーラー」の販売を始めました。

<カンセイ 小池敬太郎さん>
「すぐに動かせるというのが特性のものなので、どこかで災害が発生して要請があれば、水がいらないお風呂になっているが、持って行って、たくさんの方に清潔な状態になってもらうというアイテムとしても考えています」

2022年の台風15号では、静岡市内の会社の施設も浸水や断水の被害を受けました。

<カンセイ 小池敬太郎さん>
「台風15号で弊社も洪水被害に遭って、被災してから防災意識も高まって、トレーラーの強みを活かしてどう表現したらいいのかなと考えた結果。水がいらないお風呂としてトレーラ―になった」

入浴の代わりとして利用できるというサウナトレーラー。1月に発生した能登半島地震でも、サウナが入浴の代わりに活用されました。

<テントサウナを提供 NPO日本テントサウナ安全協会 竹内純代表>
「水蒸気が出て水蒸気浴ができる。これが体に付着して、熱が体に入って暖かくなりますし、そこで体を拭くことで暖かい温度で清潔になるという入浴効果がある」

普通のお風呂では、水が1人あたり40から50リットル必要になりますが、テントサウナであれば、バケツ1杯の水で入浴できるそうです。能登半島で今も断水が続く地域では、入浴の代わりに使われているといいます。

また、他にも2つの使い方があります。

<NPO日本テントサウナ安全協会 竹内純代表>
「2つ目は、採暖室といって暖をとる場所。特に東北の震災のときは、雪も降って寒い場所で給水車を待たなけれないけない。または、給水補助をするボランティアの方を待たなければいけないときに、屋外にテントサウナを水をかけずに薪ストーブに火を入れて、暖かい部屋として利用する」

3つ目は、避難所で個室空間をつくるための利用です。テントサウナは、一般的なアウトドア用テントと比べて、布が複数枚重ねで分厚く冬の被災地で活躍しました。トレーラーも薪で温めることができ寒さから身を守ることができます。

<カンセイ 小池敬太郎さん>
Q.災害時は電気もガスもなくなるが…
「薪があれば、暖をとったりとしても使えたり、外にあるお風呂も電気とガスがなくても温めることができるものになるので、災害のときにも使うことができる」

災害時、自分たちの体を守るため、そして心をリフレッシュさせるためにサウナの利用が広がりそうです。NPO日本テントサウナ安全協会によりますと、今後は、火の利用など安全管理について消防との連携も必要と話していました。

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