青森県立病院と青森市民病院を統合してできる新病院の整備場所を巡り、県が新たに提案した「県営スケート場一帯」の案について23日、青森市の検討会議で議論が始まりました。

青森市の検討会議では、統合新病院の整備場所として県が新たに提案した「県営スケート場一帯」と「青い森セントラルパーク」を比較した資料をもとに議論が進められました。

これまでの会議では、青い森セントラルパークや県病の敷地とその周辺など複数の候補地の議論が進められていました。

「県営スケート場一帯」の案に対して市側は、これまでに多くの質問や意見を県に出していて、23日も出席者から比較した資料について議論の前提となるデータが十分ではないという意見が出ました。

また、これまで使われていない土地を前提に検討を進めていたため、出席者の中には戸惑いの声も上がりました。

青森市統合新病院整備場所等検討会議 足達健夫座長
「肯定も否定もする前の段階。県の提案についてまだまだ知りたい部分がある。まずは知ろうじゃないかという段階なのではないか」

出席した委員は
「有効活用されていない公有地が検討の対象にあがってきていて、県から出されてきたものは今有効活用されているところですよね。これをあげてくるのであれば、有効活用されている公有地の検討から始めないと、私たちが話し合った結果はなんだったんだろう」

検討会議では、県に質問事項や追加で求める資料を提示し、7月29日の会議で県からの提案について検討を進めます。

これに先立って青森市議会では、各会派の代表が集まった会議が開かれました。
会議では西市長から、県から提案されたスケート場一帯の候補地案について経緯が説明され、各会派の受け止めも様々です。

青森市議会 市民クラブ会派 木下靖代表
「いままで3つの候補地について2年間議論してきた経過があって、まさか現在利用されている施設がある場所が候補地になるというのは全く考えていませんでしたので、唐突な感じは否めない」

青森市議会 自民クラブ会派 小豆畑緑会長代行
「今回の知事の発言は本当に驚くばかりですよね。会派の皆さんのご意見もまだお聞きしていないので(今後開かれる)全員協議会を待って、その上で皆さんとまた話し合いをして決めていかれると思う」

一方で、有識者会議では環状線周辺のエリアも候補として上がっていたことから、今回の県の提案を冷静に受け止める声もありました。

青森市議会 日本共産党会派 村川みどり代表
「適切なルートの中で県が示してきたなと思っているので。市がセントラルパークありきでなくて、平等に評価して県全体の病院をどう作っていくのかを、しっかりと検討していく必要がある」

宮下知事は、8月までに候補地について最終判断したいとする中で、今後予定されている県や市の議会全員協議会などで議論が加速していきます。

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