うなぎの養殖で知られる愛知県西尾市一色町。

そこにいたのは大量のうなぎ。

通常のうなぎと比べると太さや長さが約1.5倍。

24日の「土用の丑の日」に合わせて販売される新ブランドです。

炭から炎が上がるほどに脂が多く、できあがりの大きさも違います。

試食した人は。

「大味じゃなくて、ふっくらして弾力がある感じ」

この特大うなぎ1匹から2杯のうな丼が作れるくらいということで、値下げも期待されています。

巨大化の秘密は“白い粉”

(兼光淡水魚 牛田貴仁さん)
「うなぎをメス化させる新技術となる『大豆イソフラボン』になります」

うなぎは稚魚のときにオス・メスが決まっていません。

養殖のうなぎは高密度によるストレスなどから9割以上がオスになります。

しかし大豆イソフラボンによって、メスが9割以上になることを愛知県水産試験場が発見したのです。

メスのうなぎはオスに比べて大きくなりやすく身も柔らかいため、うなぎのメス化が待ち望まれていました。

(兼光淡水魚 牛田貴仁さん)
「うなぎ業界の未来の宝」

ブランドうなぎの条件

この巨大うなぎのブランド名は…。

(ヤマヤ養魚 糟谷禎さん)
「『葵(あおい)うなぎ』ですね」

こう話すのは、西尾市から近い高浜市でうなぎ養殖に取り組む糟谷禎さん。

ブランド名は「愛知県」が決めたものですが、名乗れる条件があります。

(ヤマヤ養魚 糟谷禎さん)
「1匹330グラム以上で、メスのうなぎです」

しかも、ヤマヤ養魚が目指すのは、通常は養殖してから半年ほどで出荷されることが多い250グラムの状態を330グラム以上に育てること。

この養殖日数で条件を満たした「葵うなぎ」は、まだ世に誕生していないと話す糟谷さん。

(ヤマヤ養魚 糟谷禎さん)
「僕としては初めての挑戦。認めてもらいたい大きさです。あとは問屋さんが、目利きのプロが見て『葵うなぎ』か判断してくれます」

7月19日、糟谷さんが手塩にかけた、うなぎ6000匹の出荷です!

そして、問屋さんで大きさごとに選別です。

“葵うなぎ”はいたのか…?

果たして、この中に土用の丑に店頭に並ぶ「葵うなぎ」はいたのでしょうか?

(兼光淡水魚 伴哲郎さん)
「300グラム…、280グラム」

そして、最後の1匹は。

(兼光淡水魚 伴哲郎さん)
「(Q:『葵うなぎ』は?)いなかったですね」

結果を糟谷さんに報告すると。

(ヤマヤ養魚 糟谷禎さん)
「僕の中では『いたかな』と思ったんですけど残念ですね。今回を踏まえて盆明けぐらいから、また順次『葵うなぎ』になるような、うなぎを出荷していきたい。期待していてください」

西尾市一色町に負けじと三河地方の各養鰻業者の皆さんは『葵うなぎ』のブランド確立に向けて執念を燃やしています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。