夏休みがスタートし、子どもたちは家庭で過ごす時間が増え、スマートフォンに触れる機会が多くなるといえます。その一方で、ネット利用の低年齢化が進み、様々なトラブルが発生しています。

インターネット介した被害急増

大分市の大在中学校では、夏休みを前に全校生徒対象の情報モラル教室が開かれました。講師の警察官は、不適切な投稿が拡散され、犯罪となったケースや投稿画像から個人情報が特定されるリスクなど具体的な事例をあげて説明しました。

警察「君たちにとって便利だということは、犯罪者や悪いことをしようとしている人たちにとって、とても便利なものなんです」

また、自由な時間が増える夏休み中は、特に注意が必要と呼びがけました。

生徒「SNSでアップロードしたものは消えないっていうのがあって友達にも注意喚起できたらいいなと思います」「親や家族が被害にあうことがあるので危機感を持っていきたいと思います」

情報収集やコミュニケーション、連絡手段などで幅広く利用されているスマートフォン。大分県内では高校生の98%、小学生でも35%が自分専用のスマホを持っていて低年齢化が進んでいます。

大分県警は7月、健全育成条例違反や児童ポルノ法違反などの犯罪に巻き込まれた20歳未満の被害者数を公表。それによりますと、去年は72人と過去5年間で最多に。このうちインターネットを介した被害は16人と急増しています。

子どもが高額課金…どう対応

県消費生活センター・アイネスがまとめた20歳未満からの相談で、最も多いのが「インターネットゲーム」。次いで「商品一般」、「健康」、「四輪自動車」、「娯楽等情報配信サービス」などとなっています。

アイネス 清水磨智子さん

アイネス 清水磨智子さん:
「どんな使い方をしているのかを知らない保護者が非常に多いように感じますので、そこがトラブルを未然に防げない理由の一つなのかなと思います」

実際に起きた事例では、高校生の娘がネット通販で美容液を購入。後日コンビニの後払い決裁で業者から高額の請求書が届きました。

アイネス 清水磨智子さん:
「本人はお試し価格ということで安いものだという認識で買っています。2回目に定期購入でそんなに高くなるとは思っていなかったと」

未成年者が親の同意を得ずに交わした契約は取り消すことができます。ただ、注文の際、未成年者が年齢記入欄に入力すると『売れない』と表示されるため、年齢を偽って記入するケースもあるそうです。

アイネス 清水磨智子さん:
「成年と偽って購入してしまったり、保護者の同意を得ましたとチェックして注文してしまったりすると事業者側としても未成年者契約の取り消しに応じないというケースもあります」

別の事例では、家族共有のタブレット端末で小学生の息子がオンラインゲームで高額課金しました。

アイネス 清水磨智子さん:
「保護者のカード情報が登録されていたということになりますと、申し出通り未成年者が使ったのかというところは非常に疑問ですし、回復が困難な事例かと思います」

トラブル防止には、ペアレンタルコントロールやフィルタリングの利用のほか、子どもが興味を持っていることに親が関心を持つことが大切といいます。

アイネス 清水磨智子さん:
「子どもの年齢、興味などに応じてルールをブラッシュアップしていくことが一番大切。特に夏休みは保護者も子どもに目をかけてあげられる時間と思いますので、今からそういう準備をしてほしい」

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