富士山の山梨県側では危険な弾丸登山などを防止するため、県が今年からゲートを設け、午後4時から翌日の午前3時まで閉鎖する登山規制を行っています。ここまでの登山者の動向から見えるゲートの効果は?

山梨県のスタッフ:
「天気が悪いじゃないですか、頑張って山頂に登っても、眠い、寒い、何にも見えない、何がいい?」

3連休の初日の7月13日の午後1時ごろ、5合目で山梨県のスタッフ2人が石川県金沢市から来たというフィリピン人の男性4人組に話しかけていました。

このあと天候の悪化が予想されていましたが、Tシャツにスニーカー、中にはジーパン姿の人もいました。
山頂を目指したいと話している4人、スタッフは「装備を整え日程を変更して天気の良い日に早朝から登山すれば山頂まで登っても日没前に下山できる」と説得していましたが、彼らは7合目で引き返すと話しました。

スタッフ:
「ドント スリープ ! スリープ アウトサイド」


スタッフから危険性を念押しされた後、彼らはゲートを通過をしていきました。

富士山登山で問題視されているのは5合目を夕方から夜間に出発し、山小屋に泊まらず一気に山頂を目指す弾丸登山。

富士山山頂での御来光


ご来光の時間にあわせるため登山道で仮眠をとるなどの迷惑・危険行為を行う恐れがあります。

こうした行為を防止するため山梨県は今年、5合目にゲートを設け午後4時から翌日の午前3時まで閉鎖する登山規制を行っています。(山小屋宿泊者を除く)。

地元の富士吉田市が吉田口登山道の6合目にある安全指導センター前で通過する登山者をカウントしたところ、7月1日の開山から15日までの半月の間の登山者は2万5384人でした。

これは去年の同じ時期と比べ3128人の減少です。

【弾丸登山者は減ったのか?】

5合目のゲート閉鎖の影響を受けると見られるのは午後5時から翌日午前3時までの登山者数ですが、1114人でした。

山小屋宿泊予定者も含まれるため全員とは言えないものの、この中に問題視されている弾丸登山者もいると見られています。



実際、3連休中、8合目付近の登山道などの一部でシートで仮眠をとる外国人登山者も見られました。

それでも、富士吉田市はゲートは弾丸登山防止に一定の効果があったとみています。
それは午後5時から翌日午前3時までの登山者数の変化から見て取れます。

この時間帯の登山者数は去年4401人→今年1114人で約4分の1に減少したのです。

また、1日に占めるこの時間帯の登山者数の割合も、去年15.44%→今年4.39%と11.05ポイント低下しました。

一方で、ゲート閉鎖前の駆け込み登山者への対策が課題として浮上してきています。

弾丸登山は抑制が出来るのか。

富士山で登山者の後半のピークは8月の中旬、山の日の前後に迎えると見られています。

午後5時から翌日午前3時までの登山者数は354人で割合は5.43%でした。
去年に比べ2037人減少、割合は17.97ポイントの低下しました。

(23.4%)となりました。

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