小学生が自転車の運転技術やマナーを競う「こども自転車大会」。
4年ぶりに長野県大会に出場した小布施町の小学校の子どもたちの奮闘ぶりに密着しました。
「よし!よし!」
小布施町にある栗ガ丘小学校の体育館。
安全確認をしながら自転車を運転するのは、小布施町の栗ガ丘小学校の自転車クラブの子どもたち。
4日後に迫った交通安全こども自転車大会の県大会に向けて練習を重ねていました。
今年で57回目を迎える大会は、県や県警、交通安全協会が主催。
安全走行に関する知識や技能を学び、交通事故を防止することを目的に開かれています。
栗ガ丘小学校は、4人1チームの団体部門で地区大会で優勝し、4年ぶりの県大会出場です。
「お願いします」
指導にあたるのは、笠原敦徳(かさはら・としのり)さん。
この地域の学校でおよそ20年にわたって、子どもたちの指導を続けています。
笠原さん:
「こういう風にしたときは、こっちは赤信号、こっちは青信号。間違えないように。もう一回!」
自転車大会は、道路標識などについて問われる学科テストと、実技テストがあります。
実技テストの安全走行コースでは、自転車の正しい乗り方と安全な走行を評価。
交差点での自転車の走行方法や、一時停止などの標識に沿って走行できるかなどを減点方式で採点します。
技能走行コースでは、6種目でスピードと正確性を競います。
最初の種目は「遅のり走行」。
幅30センチ、長さ10メートルの直線を25秒かけて走行します。
線からはみ出さないように慎重に進みます。
先生:
「23秒71!ちょっと早い」
遅のり走行の次に待ち受けるのは「S字走行」。
30センチの幅で描かれたS字のコースを、片手でハンドルを握り、もう片方の手でバランスを取りながら進みます。
続いては、6つの種目の中で最も難しいとされる「ジグザグ走行」。
1メートルほどの間隔で置かれた9本のポール型のピンの間を、倒さないようにすり抜けます。
キャプテン・松本蒼一朗(まつもと・そういちろう)くん:
「難しいのはピンですね。倒さないで行くのもそうだし、横にある線を踏まないでいくのも難しいので難易度が高いです」
メンバー・中島大誠(なかじま・たいせい)くん:
「(僕は)初めて県大会に行くから、そこで1位をとって全国大会にいけるように頑張りたいです」
「絶対全国大会いくぞ!」
迎えた7月13日の県大会当日。
地区大会で成績が上位だった6つの小学校が集まりました。
栗ガ丘小学校からは、6年生3人、5年生1人の4人が出場。
S字走行などの技能走行コースに出場校のトップを切って臨みました。
メンバー・西村亮人(にしむら・あきと)くん:
「練習の自転車とブレーキの効き具合とハンドルの曲がり具合が違って、うまく曲がれなかったり、すぐに止まれなかったりして、8の字で線に触れたりしてしまいました」
大会では、公平性の観点から全員が同じ自転車を使用します。
普段練習で利用している自転車との違いで、うまくブレーキ操作ができない子どもたち。
観客席の笠原さんのもとへアドバイスをもらいに行きます。
気持ちを切り替え、次の安全走行コースへ。
緊張の中で、4人の児童が実技コースを終了しました。
原大空(はら・そら)くん:
「やっぱり全体的に緊張が凄くて、地区大会とはまったく違う緊張感で、失敗したらチームに迷惑をかけてしまうという緊張があって、とてもしんどかったですけど、悔いはなくできたし、あとは結果を待つだけだと思います」
そして、いよいよ結果発表です。
結果は…3位。
目標としていた、全国大会には届きませんでした。
子どもたちは、笠原さんに感謝の気持ちを書いた色紙をプレゼントしました。
笠原さん:
「今までご苦労さん。ありがとう」
キャプテン・松本蒼一朗くん:
「ちょっと悔しさもあるんですが、3位になれたのはうれしいです。自分では全国大会に行きたかったのですが無理だったので、今度の5年生や新しく入る人に、これを受け継ぎたいと思います」
西村亮人くん:
「この県大会で学んだことを生かして、(来年は)地区大会や県大会で優勝したいです」
悔しさをばねに夢の全国大会を目指し、栗ガ丘小学校の挑戦は続きます。
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