皆さんは、余った化粧品を捨てていませんか?廃棄される化粧品を、アートの一部として再生する取り組みが注目されています。

7月上旬、都内の商業施設では、塩に絵の具を混ぜてキャンドル作りを楽しむイベントが開かれました。緑、黄色、青、赤の4色に染まった水と塩を混ぜて、ビンに詰めます。この鮮やかな色を生み出しているのが、廃棄されるはずの化粧品です。

この会社では、化粧品メーカーで廃棄された化粧品を譲り受け、粉末状の絵の具に再生させています。

<モーンガータ 田中寿典代表取締役>
「化粧品企業さんの在庫とか返品っていう商品があったり、一般のお客さんで家庭内にあるような、使いきれないコスメがあるので、それを1回かきだしたものがこういう状態になります」

アイシャドウなどの化粧品は、汗による化粧落ちを防ぐため、水を弾く性質を持っています。水になじませるようにするため、化粧品を細かく砕き、独自に開発した液体を混ぜていきます。

<モーンガータ 田中寿典代表取締役>
「これがマジックウォーターという溶液になっています。この溶液を粉に入れていってあげます。これをかき混ぜてあげます」

このペースト状が、水になじみやすい成分に置き換わった状態です。乾燥させて、砕いて粉末にしたものが、「スミンクアート」という絵の具です。

<モーンガータ 田中寿典代表取締役>
「実際にこれを取って、描いていこうと思います。簡易的に紙の上に置いちゃいますね。ここに水を垂らしてあげて、グシュグシュグシュっと。で、溶いてあげると絵の具になると。妙なバランスで、ふわっと引き立つキラキラ感というような化粧品特有のニュアンスが引き出せるような素材になっている」

キャンドル作りのイベントには、静岡県東伊豆町も参画しています。伊豆の海を感じてもらうために、塩を使い、砂浜のように積み上げます。赤いキャンドルからは、町の特産のカーネーションの香りが漂います。

<女児>
「完成でーす」

企画にかかわっている白梅学園大学の准教授、村上博文さんは、東伊豆町出身です。

<白梅学園大学子ども学部 村上博文准教授>
「ゆくゆくは、カーネーションを(東伊豆町で)実際に見てみたいな、もしかしたら作ってみたいな、そんな風に、1つのきっかけになってもらえるように。それで東伊豆町の魅力が、出身者として伝えていけたらと思っている次第です」

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