2024年の岩手県高総体の球技で唯一、男女そろって優勝を飾った不来方・ハンドボール部を紹介します。2025年度、盛岡南高校と統合し校名が消える強豪チーム。伝統の「不来方」を背負って挑む最後のインターハイに臨む決意とは?

2024年6月に岩手県花巻市で行われた県高総体。
多くの卒業生が駆け付けて声援を送る中、男女共に決勝に進んだ不来方高校ハンドボール部は、男子は花巻北を制し26連覇。
女子が盛岡白百合学園に競り勝って9連覇を果たし、強豪校の力を見せつけてインターハイ出場を決めました。

春の全国選抜大会と夏のインターハイの常連校となっている不来方は、男女ともに全国でも名の知れた強豪校です。


特に男子は2013年春の全国選抜大会で、東北勢で初めて全国制覇を果たしました。
インターハイが迫る中、選手たちはある強い思いを胸に練習に励んでいます。

(男子・八島依央主将)
「すごく誇りに感じてるっていうのもあるんですけど、最後の最後まで不来方としてプレーできるのはすごく嬉しい」

こう話すのは男子ハンドボール部の八島依央キャプテンです。
男子はインターハイに26大会連続28回目の出場と、OBが築いた伝統にプレッシャーを感じる一方、伝統の校名を背負った戦いにチームが一つになっていると八島キャプテン。
2024年のチームは高さを生かした攻撃を武器に、全国の強豪に立ち向かいます。


注目は19歳以下の日本代表にも選ばれた沖啓成選手。
攻撃の軸となる沖選手は身長186センチで、高い位置から投げ下ろす角度あるシュートを武器に活躍を誓います。

県高総体で9連覇を果たした女子は、小野寺一花キャプテンが中心です。
チームの平均身長は160センチと小柄ですが、スピードとコンビネーションを生かした攻撃が持ち味です。


女子チーム初の全国制覇を目指します。

(女子 小野寺一花主将)
「不来方高校としても最後だし、自分たちにとっても最後なので、最後まで粘り強く目標にしている日本一に少しでも近づいて不来方という名前を刻めるよう頑張っていきたいと思います」

不来方高校は2025年度、盛岡南高校と統合するため、強豪「不来方」の名前で活動できるのは2024年度限りとなります。


3年生にとって高校最後の大会となるインターハイですが、卒業生にとっても今回の大会は特別です。
現在、男子チームの安倍千夏監督は、不来方女子ハンドボール部の卒業生であり元日本代表選手です。
大舞台に臨む後輩のためオリジナルのTシャツを作りました。

(安倍千夏監督)
「今まで始まりから積み上げてきてくださった方々の思いをこの子たちが代表で背負ってやってくれればいいなとそれをプレッシャーに感じずに楽しみながらやってくれればいいなという思いでTシャツを作りました。かなり高い位置を狙えるメンバーが揃っていると思っているので、OGとしてかなり後押ししたいなという所はあります」

現役世代を応援しているのは2013年に全国制覇したメンバーも同じです。
そのメンバーの1人で現在は教員として矢巾北中学校で体育を教えている昆駿さんは、現チームの3年生が中学校時代に岩手県中学選抜チームの監督として指導しました。


「不来方」を背負って全国に挑む後輩たちに熱いエールを送ります。

(昆駿さん)
「いろんな期待とかプレッシャーていうのは大きいと思うんですよ。私たちが感じている以上に、大きなものを背負って頑張ってるんじゃないかなと思うんですけれども、やっぱりそれだけ多くの方に見守ってもらって応援してくれてるということなので、そういう応援を力に変えて、全力で楽しんで欲しいなと思います」

校名として「不来方」を背負って臨む最後のインターハイ。
選手たちは伝統の「不来方」に込められた先輩たちの思いを胸に、大舞台での活躍を誓います。



不来方のインターハイ初戦は、男子が8月9日に沖縄の興南と高知中央の勝者と、女子が8月8日に埼玉栄とそれぞれ対戦します。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。