2歳の女の子は、車の外に放り出されて命を落としたとみられています。

車を運転していた27歳の母親も死亡。飲酒運転の疑いがもたれていて、車には、チャイルドシートが取り付けられていませんでした。幼い子どもの命を守ることはできなかったのでしょうか。

運転していた母親と2歳の娘が死亡

火柱を上げて激しく燃える軽乗用車。事故はことし5月3日起こりました。現場は半田市青山の市道です。

道沿いのガードパイプは大きくゆがみ、事故の衝撃を物語っています。

(矢野司記者)
「事故があった現場には、車の部品とみられるものが大量に散乱しています。また道路沿いの植え込みや街路樹が黒く焼け焦げています」

現場近くの木の上には、車の中にあったと見られるぬいぐるみが。

運転手は27歳の母親でした。ガードパイプに突っ込み、その後炎上。死亡しました。車には子ども2人が乗っていました。4歳の娘が軽いけが。2歳の娘は死亡しました。

母親の体内からアルコールを検出

その後、母親の遺体を解剖したところ、体内からアルコールが検出されたことがわかりました。警察は事故当時、母親が飲酒した状態で単独事故を起こしたとして、過失運転致死傷と酒気帯び運転の道路交通法違反の疑いで、容疑者死亡のまま18日書類送検しました。

黒く焼け焦げた軽乗用車。母親はなぜハンドルを握ってしまったのでしょうか?

チャイルドシートも付けられていませんでした。死亡した2歳の娘は事故の衝撃で車の外に放り出されたとみられています。

チャイルドシート 4割近くの人が正しく付けられていない!?

(若狭敬一キャスター)
レジャーで車に乗る機会が増える夏です。今回事故を起こした車には、チャイルドシートが付いていませんでした。ただ、付いていれば安全というわけでもありません。

(柳沢彩美アナウンサー)
はい。JAFのデータでは、4割近くの人が正しい付け方をしていないということなんです。子どもの命に関わります。何が問題なのでしょうか?

これはJAFが行った衝突実験の映像。後部座席の乳幼児に見立てた人形が、助手席のシートに激しくぶつかり、宙を舞っています。

急ブレーキでも、助手席の大人の膝の上の子どもが車の前方に激しくぶつかる様子が。車の外に放り出され、大惨事に繋がる危険があります。


しかし、チャイルドシートに座らせていれば、こうした事故から命を守れると安心してはいけないといいます。

(JAF愛知支部 吉田英治さん)
「3割強の人が(チャイルドシートを)正しく付けられていない」

JAFが去年調査した最新データでは4割近くの人がチャイルドシートの正しいつけ方ができていませんでした(2023年調査 適切61.9% 不適切38.1%)。

座席に直接差し込むタイプ

いま販売されているチャイルドシートの多くは、座席に直接差し込んで固定するタイプです。注意点を聞くと。

(JAF愛知支部 吉田英治さん)
「お父さんお母さんの手がベルト(と子どもの間)に入るくらい、圧迫しすぎない程度に締めていただく。(しっかり締めないと)子どもが嫌がって肩から外してしまい危険」

特に気を付けたい「シートベルトを使って固定するタイプ」

また、特に気をつけたいのがこうしたシートベルトを使って固定するタイプのもの。実際に記者がやってみると。

(越智駿平記者)
「これだと駄目ですか?」
(JAF愛知支部 吉田英治さん)
「駄目です。どんどん緩んでしまう)

知人から使わなくなったものを譲り受けたり、リサイクルショップで購入するなどした場合、このタイプのことがあり、シートの上に乗って、しっかり体重をかけて固定することが大事だといいます。

(JAF愛知支部 吉田英治さん)
「(シートベルトで)留めただけだとグラグラする。(チャイルドシートの上に)大人が乗っかるくらいで(押さえて)全然問題ない」

子どもを連れて出かけることが多くなる夏休み。6歳未満の子どもはチャイルドシート使用が義務。正しく装着できているかチェックを心がけて下さい。

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