未解決のままとなっている鳥取県鳥取市のタクシー強盗殺人事件から、きょう7月17日でちょうど15年です。事件の記憶も薄れる中、警察は改めて市民に情報提供を呼びかけました。
警察は、当時被害に遭った実際のタクシーを今も保管しています。

きょう、JR鳥取駅。
事件の横断幕や立て看板が設置され、鳥取警察署の署員らが道行く人にティッシュを配って情報提供を呼びかけました。

15年前、2009年の7月17日、強盗殺人事件はここ鳥取駅を起点に発生しました。

午後9時34分か35分ごろ、駅でタクシーに乗った犯人は、出発間もない9時40分ごろ、市内立川町の住宅街で当時60歳の運転手の男性に拳銃を発射。
運転手の男性はタクシーを降りて助けを求めましたが、その後死亡しました。

犯人はタクシーを奪い、2キロほど離れた市内東今在家に乗り捨てるとそのまま逃走しました。

事件当時

15年間でのべ9万4000人の警察官を投入し警察は犯人を追ってきましたが、見つけ出せていません。

鳥取警察署 笠田孝二 署長
「ささいな情報が事件の解決につながった例はたくさんあります。様々な媒体を使いながら情報の提供を呼び掛けていますので、引き続きよろしくお願いします」

シートの下から現れたのは強盗殺人事件が起きた実物のタクシー。警察が今も大切に保管しています。

鳥取県警察本部捜査第一課 星見大輔 課長補佐
「今後犯人が捕まったときのために、タクシーの中を改めて鑑識したり、そういった可能性があるので、証拠品として大事に保管しています」

運転手に向けて発射された弾丸は、このタクシーの運転席のドアにめり込んでいました。ここから拳銃発射時の様子は次のように推定されます。

鳥取県警察本部捜査第一課 星見大輔 課長補佐
「断定はできないですが、運転席ドアから(運転手が)降車する際に背後から銃撃された可能性があるとして捜査しています」

運転手は撃たれた直後にそのまま車を降り、助けを求めたとみられます。

犯人につながる新しい情報が出てきたときに、証拠を突き合わせるために保管されているタクシー。ただ、タイヤの空気が減り、フェンダーミラーが外れるなど劣化も目立ってきていて、15年の月日を感じさせます。

未解決のこの事件は去年、犯人に結び付く有力な情報に最大300万円が出される特別報奨金制度の対象となりました。

タクシーに残された足跡から犯人が履いていたのではと割り出した有名なスニーカー。犯人がタクシーに乗った時間に丁度特急列車で鳥取駅に着き、犯人を目撃した可能性がある3人の乗客。警察はこうした情報も公開し手がかりを求めています。

鳥取警察署 笠田孝二 署長
「私たちは決してあきらめません。県民の皆様に引き続き捜査へのご協力をいただき、どんなささいなことでも結構です、お気づきの点がございましたら、警察まで情報をお寄せいただきますよう、よろしくお願いいたします」

強盗殺人罪の法定刑は死刑または無期懲役。市民を震撼させた凶悪犯は社会の中でじっと息を潜めているのかもしれません。必ず犯人を追い詰める、警察の執念の捜査は今日も続いています。

●タクシー強盗殺人事件捜査本部(鳥取警察署内)
【フリーダイヤル】0120-110-572
【鳥取警察署(代表)】0857-32-0110

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