熱中症で病院に運ばれる患者の数が増え、亡くなる人も増加しています。なかには自分で熱中症になったと気づかないまま症状が悪化するケースもあり、注意が必要です。

“じわじわ熱中症”特に注意

救急医療を行う大分市の三愛メディカルセンター。この日、転倒してけがをした高齢の男性が運ばれてきました。診察の結果、熱中症とわかりました。

三愛メディカル病院 玉井文洋副院長:
「7月に入って爆発的に増えてる印象です。家での日常の生活の中で、じわじわくる熱中症になって救急搬送される人が増えている」

熱中症の中で特に注意が必要なのが、屋内などの日常生活の中でじわじわ進行する「非労作性熱中症」です。

消防庁によりますと、熱中症による救急搬送者は全国で1万9146人(今年4月29日~7月7日・速報値)。去年と比べて4000人以上上回っていて、過去最多のペースで推移しています。このうち「住居」が最も多い6885人に上り、全体に占める割合は36%となっています。

屋内でも起きる「非労作性熱中症」は、高齢者を中心に脱水状態に気づかず、数日にかけて発症するケースもあり、重症化につながるおそれもあります。

三愛メディカル病院 玉井文洋副院長:
「熱中症に持病が重なったり、感染症が重なったりしてトータルで重症化してくるということになります」

新たな予防策「アイススラリー」

熱中症対策で欠かせないのがエアコンです。大分市の家電量販店では連日の暑さの影響でエアコンを買い求める人が去年より増えています。

エアコンの購入について、大分市は省エネ基準などの条件を満たした場合、上限3万円の補助金を設けています。

ケーズデンキ春日浦店 佐藤早紀店長:
「去年よりエアコンとプラスで扇風機やサーキュレーターを一緒に買うお客様も多い印象です。エアコンと扇風機の併用でお部屋の空気も循環して、一定の温度で保つこともできると思うんで、その使い方の方がとても快適にご使用いただけると思います」

また、県は薬局やコンビニ、商店などと連携し、県内677か所を「熱中症一時休憩所」に指定。大分市の商店街にある店舗では、冷房の効いた店内で座って休むことができます。

若竹園府内5番街本店 佐藤真司店長:
「体調が本当に悪くなる前に通りを通られてる方にこちらを利用していただいて、救急車を呼ぶ前に休憩所として使ってもらえるようにしております」

さらに、新たな予防策として注目されているのがアイススラリーです。アイススラリーは細かい氷の粒子と液体が混ざった”飲める氷"とも呼ばれ、体の内部の温度上昇を抑える効果があると言われています。

広島大学 長谷川博教授:
「体を動かして、外部の環境が体温よりも高いときは、どんどん熱が入ってきてしまいますので、効果の高いものを取り入れることで熱中症の予防、運動能力の低下を防ぐことができると思います」

厳しい暑さは、まだ続きます。自分は大丈夫と過信せず、エアコンの活用やこまめな水分補給など基本的な対策の徹底が熱中症予防につながります。

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