石や岩に似せた撮影カメラを使い、公衆浴場の露天風呂を盗撮するという行為。

その犯行を行い、初公判で山形地方裁判所の法廷に姿を見せたのは31歳の被告の男だった。

男はうつろな目をして、力なく「間違いありません」と起訴内容を認めた。

この福島県郡山市の無職の男は、2022年から山形市内の公衆浴場に通い、露天風呂を盗撮していたことがわかっている。

その際に使われたのが「岩に似せたカメラ」である。

事件の詳細は、文末のリンクから飛べるこれまでの記事をご覧いただきたい。

カメラそのものや撮影時の状況、また男が出頭時に”したこと”など、これまで報道されていないことがいくつかあった。

今回は検察の冒頭陳述の中で明らかになったこれらの内容を、さらにお伝えしたい。

■カメラ自作の手法

男は「成長期の女性に興味があった」と、取り調べで明かしている。

その興味を満たす方向が盗撮だったわけだが…盗撮に使用されたカメラが特殊すぎた。

”自作”なのだ。正しくは”自分で加工”なのだが。※写真提供:山形警察署

検察によると、男は小型カメラをインターネットで購入している。

インターネットで購入したカメラをそのまま使うのではなく、男が選んだ手法は「加工」だったのだ。

男はインターネットで粘土と茶色のビニールテープなどを購入している。それを使い、あのまるで岩のようなカメラを作り出した。

カメラを見ると、本体を粘土などで覆い、細かく石のようなものが埋め込まれ、またケーブルは茶色のビニールテープでぐるぐる巻きにしていることがわかる。

男は2022年から山形市内の露天風呂で盗撮していたとのことだが、この盗撮場所に合わせた加工をしたものと思われる。

■盗撮カメラは2台だった

男は小型カメラを使って盗撮をしていた。

警察が公開しているのは画像の1台だが、実はもう1台存在していた。

男は2台のカメラで盗撮していたのだ。

検察によると、こうだ。

男は当初、1台のカメラを使っていた。しかし性能がよくなかった。

具体的には「画質に満足がいかなかった」としている。さらに「バッテリーがすぐ落ちる」とも証言している。

理由は熱を持ちすぎたためとのことだ。

とにかくこのカメラの性能に不満だった男は、もう1台のカメラを買う。

こうして、2台のカメラを使い、露天風呂での盗撮を行っていた。

■警察に名乗り出た際の行動

これまで報道されているように、露天風呂に入っていた女性によってカメラが発見され男は観念した。

山形警察署に自ら名乗り出て、逮捕・起訴されている。

実はこの時の行動も、驚きのものだった。

逃げられないと思い名乗り出たわけだが・・・男はその前に自身のパソコンやこれまで盗撮したデータを隠していたのだ。

隠し場所は明かされていないが、結局、男が隠したパソコンなどは警察の捜査で押収されている。※写真はイメージ

押収されたパソコンの中には、細かくフォルダ分けされた動画データが保存されていたという。

フォルダのタイトルには、日付や撮影場所などがつけられていた。

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