14年ぶりに再開した仙台市で唯一の海水浴浴場、深沼海水浴場では、「海の家」も復活しました。かつての賑わいを取り戻そうと76歳の店主が奮闘しています。

14年ぶりアロハで正装

15日、海の家深沼海水浴場の砂浜エリアにオープンした「海の家はっちゃん」。

「14年ぶり。私も気合入ってます」と語る店主の白井文一郎さん(76)です。

東日本大震災前も海の家を営んでいました。

海の家はっちゃん店主 白井文一郎さん:
「これ(アロハシャツ)が正装、14年ぶりの海です。懐かしくてね」

20年前、取材をうける白井さん

仙台市唯一の海水浴場としてにぎわった深沼海水浴場。1日の来場者が2万人ほどにのぼることもありました。砂浜には、10軒ほどの海の家が並んでいました。

当時、取材に答える白井さんの姿がありました。

海の家はっちゃん店主 白井文一郎さん(当時56):
「男も女も最後は海に戻ってくるんです」

震災前まで23年間、夏は家族とともに海の家で過ごしました。

当時を白井さんが振り返ります。

海の家はっちゃん店主 白井文一郎さん:
「(当時は)1ヶ月泊まりながらやっていた。朝早くから午後4時ごろまで。それを何十年。湘南の海に負けないようにってね、みんなで(活気が)すごかった」

妻・邦子さん:
「大変でした。(Q どこが特に?)言ったら(夫に)怒られるから言わない」

震災がなければ…、白井さんが思うこと

いまは仙台市内で妻・邦子さんとお好み焼きの店を営む白井さん。震災がなければ、夏場は海の家を続けるつもりでした。

白井文一郎さん:
「楽しいっていうか、常連さんに会いたいとかさ。思い入れがあるんだね人生の3分の1だもの」

そうした中、仙台市から声がかかり海の家を復活させることになりました。

迫るオープン、看板には「伝説」の文字が

12日、オープンまであと3日。店の設営が着々と進んでいました。看板は、白井さんが手作りしました。

海の家はっちゃん店主 白井文一郎さん:
「復活!復興!伝説の海の家はっちゃんです。(Q 伝説をつけたのは?)みんなで集まったもの、20~30年前は、そういうねみんなで楽しんで商売やった時代(に思いを馳せた)」

今回、海の家の出店は白井さんのみ。かつての仲間への思いも看板に込めました。震災前のにぎわいを知ってもらおうと当時の写真も飾ることに。孫の凪さんも手伝います。

孫の白井凪さん(20):
「この頃は楽しかったんだろうなって、盛り上がりが違いますよね」

白井さんの昔の写真見た凪さんは…。

孫の白井凪さん(20):
「これですよね?(面影が)あります。こういう作業はうれしそうにやる。普段はツンデレ。かわいいおじいちゃんだなと」

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