235世帯の孤立状態が続いている島根県出雲市の日御碕地区。
9日からの大雨で道路が崩落してから1週間。
一刻も早い復旧を望む住民の様子を取材しました。

16日午前7時過ぎ。
道路崩落現場の日御碕地区側に集まる子どもたちの姿。
1週間ぶりにスクールバスの運行が再開し、日御碕地区に住む中学生7人、小学生10人が久しぶりに学校へ向かいます。

児童
「楽しみ」
「Q.学校行ったら何したい?」
「友達と遊ぶ」

こども達は、迂回路を通り、スクールバスの待つ場所まで移動。
「ここから気をつけてよ、滑らないように。小刻みにね」
途中、急な坂道もある迂回路を出雲市教育委員会の職員に引率され、通行した子どもたちは、元気に、登校していきました。

スクールバスは1学期の終業式まで運行。
出雲市教育委員会では、復旧の様子を見ながら、2学期の運行を決めたいとしています。

また、16日からは、出雲大社バスターミナルと崩落現場近くのバス停を結ぶ一畑バス日御碕線も片道7便の臨時運行を開始。

孤立に伴い閉じていた地区唯一の郵便局も業務を再開しました。
利用客
「サプリメントをずっと飲んどりましてそれの支払いに」
さっそく利用する人の姿。
他にも郵便局のATMが利用できるようになり、現金がおろせるようになりました。

日御碕郵便局 局長
「普段の業務はもちろんですけど地域のお客さんの困ってることをお聞きしながらいいサービスができたらという風に考えています」

地区にある二つの商店は、崩落現場を迂回し、親戚の協力などを得て仕入れを行っていて、生鮮食品も取り扱うなどしています。

蒲生商店 蒲生恵美さん
「お年寄りや1人暮らしの人とかなかなか買い物に出れない、向こうから持ってきてもらうにしても運ぶのが大変、この辺の方に協力できればと思って店を開けてます」

孤立から1週間が経ちましたが、電気や水が通っているほか、食料や薬なども迂回路を通し、必要に応じて手に入ることから、一応の日常生活は維持されていますが、今後の課題もあります。

まずあげられるのが、山の中を通る険しい迂回路です。

日御碕地区の人
「私らみたいな年寄りは山越しができないわ」
「若い人はいけるかもしれんけど我々みたいな年取った人は足が痛かったり行かれんね」

地区では高齢者の割合が高く、勾配の急な迂回路を通れないという人も多くいます。

日御碕地区の人
「2人がこんな状態だから救急車もこれんし、どうこうあったら大変だなというのが1つの心配」

病気やケガといった救急時の不安に加え、観光業に携わる人の多い日御碕地区ならではの課題も。

土産物店を営んでいる男性は…

石富商店 石富一男さん
「だんだん(客が)増えてきてこれからかなって感じだったんですけど今もうこの状態」
Q「収入っていうのはどうなるんですか?」
「ゼロです。貯えを崩すしかないですね」

日御碕灯台をはじめ、日御碕神社、海水浴場など観光資源が豊富にあるこの地域は、民宿や土産物店なども多くありますが、物理的に観光客が来られない状況に大きな痛手を受けています。

石富商店 石富一男さん
「片道でもいいから付けてほしいけどなかなか多分できないかな」

他にも、地区にはガソリンスタンドがなく、ガソリンを入れられないことなども課題にあがっています。

避難所になっているコミュニティセンターでは連日会議が行われ、対策を練っています。

コミュニティーセンター 園山暢男 センター長
「地区の皆様に今のところこれについてはどういう状況かということをお伝えせんといけないので本日配布をして知っていただく安心していただくそういう予定にしております」

地区への唯一の道路の崩壊がもたらした今回の孤立状態。
一刻も早い復旧が求められています。

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