2024年も熱戦が繰り広げられている高校野球。夏の青森県大会で、柏木農業は弘前学院聖愛から部員の派遣を受けて単独出場します。

高校野球の現状と、選手の思いを取材しました。

部員7人の野球部を助けたのは『他校の野球部』
「何なら聖愛を倒すつもりで…!」

春の県大会でセンバツベスト8の青森山田を下した弘前学院聖愛。東北大会では準優勝となり、この夏の優勝候補ですが…。大会を直前に控えた6月30日、聖愛の選手の姿は「柏木農業」のグラウンドにありました。

2024年に柏木農業の野球部の部員数は7人に―。本来は単独チームとして出場できませんが、聖愛から3人の選手の派遣を受ける形で「夏の大会」に出場します。

柏木農業 村田公王樹主将(3年)
「自分たちは単独出られなかったので、聖愛さんが力を貸してくれたのは感謝していて、聖愛さんが来てくれてチームの雰囲気も良くなってうれしい」

弘前学院聖愛 成田翔音捕手(2年)
「柏木農業でプレーするので、何なら聖愛を倒すつもりで今夏戦いたい」

部員不足の学校が公式戦に出場するための「単独廃校ルール」とは

日本高野連は1997年に学校の統廃合を理由とした連合チームでの出場を認めたのを皮切りに、部員不足の学校が公式戦に出場するための「特別措置」を設けました。

それが今回、柏木農業が活用した「単独廃校ルール」です。
5人以上の部員がいれば、合計10人になるまで他の高校から部員を借りて大会に出場ができる制度です。

過去に県内では、閉校直前の「岩木高校」が活用しましたが、閉校しない学校が「単独廃校ルール」を活用するのは今回が初めてです。

県高野連も制度の活用に理解を示します―。

部員数10年連続で減少… 変化する高校野球を取り巻く環境

県高野連 玉熊康成理事長
「高校に野球部がないとか(部員が)少ないということで、でもその高校に行かざるを得ない子もいる。じゃあそれで野球をやめるのか。そうではなくて、何かしら試合に出られる方法があるのであれば、救済していくべきものなのかなと感じています」

全国の高野連への加盟校は、この20年で455校減り、部員数も10年連続で減少。県内でも、夏の大会の出場校は過去最多だった2005年は76チームありましたが、2024年は48チームとなっています。

高校野球を取り巻く環境が変わる中、球児は野球ができる喜びを強く感じています―。

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