写真を見ただけでは、カメラとはわからない。この物体を使い、盗撮を繰り返していた男。

※写真提供:山形警察署

7月12日の山形地方裁判所。

法廷に入ってきた男は、白のワイシャツに上下黒のスーツを着ていた。

細身で身長は180センチはあろうか。一瞬丸刈りかと思うほど髪の毛は短い。

表情はうつろだ。

福島県郡山市に住む、31歳の男。

男は岩に似せたカメラを使い盗撮をしたとして、逮捕、起訴された。

この日の初公判で、男は起訴内容を全面的に認めた。

■カメラは自作

このカメラは、なんと男の自作。

カメラは石や岩に似せ、ケーブルも土色。バッテリーがつなげられ、設置すれば自動で録画可能だった。

この事件が報道されると、ネット上では「この情熱をなぜほかに向けられない」「これは忍者」などの反応が見られた。

事件の経緯はこれまで報道されているが、どうしてカメラが見つかったのかはあまり触れられていない。

今回は検察の陳述から、なぜカメラが見つかったのかをお伝えする。

■男はいかに撮影していたか

男は福島県に住みながら、自作のカメラを使い、山形にいわゆる”遠征”をして、盗撮していた。

カメラの大きさは10センチほど。見れば見るほどよくできている。

検察によると、2022年から、山形市内の公共浴場の露天風呂で盗撮を繰り返していたとされる。

その方法は、この自作カメラを目立たないように浴場そばに仕込むというもの。オープン前に仕込み、回収していたとみられる。

しかし、それだけではなかった。

■自身も物陰から・・・

なんと、カメラを設置しても男はその場にいたというのだ。

このカメラを設置したあとは、物陰に身を潜めた。そして、望遠レンズのついたカメラを使い、自身もその場で盗撮などを繰り返した。

逮捕された今年5月の盗撮については、山形市内のホテルに3日間宿泊し、浴場に通いながら盗撮をしていたとみられている。

自動で動くカメラがあるだけでもぞっとするが、その向こうに身を潜めていたとなると、なんとも言えない感覚になる。

では、なぜ見つかったのか。きっかけは一瞬の違和感だった。

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