長野県内のチーズ工房は北海道に次ぐ数があり、信州産は品質も高いと注目が集まっていると言います。その理由を取材しました。
東御市のアトリエ・ド・フロマージュ。
およそ40年前にチーズ工房を開きこれまでにも国際基準のコンクールで多くの賞を取ってきたましたが、今回、新たな栄冠が加わりました。
先月開催されたコンクールで166品の中から日本一に輝いたのが「ブルーチーズ」です。
アトリエ・ド・フロマージュ塩川和史(しおかわかずし)さんは「力強さだったりうま味の強さだったりということが評価されたのかなとは思います」と話します。
その製造工程は、牛乳をタンクの中で殺菌して、チーズバットという機械にためていきます。その後、乳酸菌を加えて発酵させてから酵素を入れて固めます。
その上で、ブルーチーズの熟成室へ。
青カビ菌は製造段階でごく少量入れてあるそうで、およそ3か月熟成させると…
表面は青を通り越して真っ黒という感じに仕上がり、
ようやくブルーチーズの完成です。
自家製ブルーチーズの焼きカレーにして味を確かめると…。
飯塚アナウンサー:
「ブルーチーズの風味もカレーのスパイスに負けてしまうのかなと思ったんですがほんのり残ってます。チーズの味とカレーの両方を味わいながらそこはちょうどミックスされたところの味というのも大事。チーズそのものもおいしいですし料理にアレンジしても非常にいい仕事をするのがこちらのブルーチーズなんですね」
長野県内には飼育するヤギの乳をチーズにしている工房もあります。
大町市の木崎湖を望む「小さな山羊(やぎ)牧場」で
自家製チーズを手掛けるのは、ロシア生まれの岡本由良(おかもとゆら)さんです。
5年前に飼い始めたヤギはどんどん増え、今ではオス1頭にメス8頭、そして子ヤギが5頭。
搾乳の順番を覚えていて、自ら台の上に上ります。
岡本さんは独学でチーズ作りを始め3年の試行錯誤の末、去年から製造・販売をしています。
ヤギのチーズは4種類。
・ヤギの風味が強く出る「アルパイン」
・あっさり味が特徴の「ゴーダ」
・ずっしりと味が強い「トムチーズ」。
・イタリアでよく作られる「カシオッタ」
直売のみですが、最近は地元で話題となりすぐ売れてしまうそうです!
現在信州にあるチーズ工房の数は「17」。
酪農が盛んな北海道が圧倒的に多いものの全国では2番目なんです。
そんな信州で生み出されたさまざまなチーズを味わうことができる店が松本市にあります。
ジュレ・ブランシュの霜田早苗(しもださなえ)さんはチーズソムリエの資格を持っています。
霜田さん: 「信州のチーズは非常にランクがいいといいますかおいしいものですから、皆さんに知っていただききたいというのもありまして。(信州からそれだけいいチーズが生まれているというのは何か理由があるんですかね?)やはり環境と食べるものがいいというのがありますあと空気とかお水がおいしいので」
県内産チーズの盛り合わせを見ると、佐久市で作られた「ウォッシュチーズ」もあります。地元の春日(かすが)温泉の源泉などで表面を洗い、菌を活性化させているそうです。
霜田さん: 「ウォッシュチーズはちょっと臭いチーズの代表的なものです、納豆菌の親戚の菌を周りに植えているので納豆と同じ感じです」
県内では、去年から10以上の工房が集まる「研究会」も設立。
県産チーズをさらに盛り上げようとする取り組みが進んでいます。
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