サッカーJ3は後半戦がスタートしました。
長野県のチームは松本山雅は12位、長野パルセイロは14位となっています(7月11日時点)。J2自動昇格圏にまだまだ追いつく可能性は残されています。

長野パルセイロの浮上の起爆剤として期待されるのはフォワードの進昂平(しん・こうへい)選手です。大けがを乗り越え復活を果たしたエースストライカーの思いに迫ります。


24年1月、雪が積もるグラウンドで今シーズンのトレーニングをスタートさせたパルセイロ。その中に一際、真剣に走り込む進選手の姿がありました。

「今年覚悟を持って、チームを引っ張っていけるように頑張っていきたいなと思っています」と話す進選手はベテランと呼ばれ始める29歳。

チームの主力として活躍していますが、そのサッカー人生は順風満帆なものではありませんでした。


埼玉県で生まれた進選手は、幼稚園の時に、兄の影響でサッカーを始めました。

中学、高校と浦和レッズの下部組織で、ストライカーとして活躍し、大学を卒業した2018年、J3のYSCC横浜に入団しJリーガーになる!という夢を叶えました。

「うれしい気持ちというよりも、ここから頑張らないといけないなって気持ちの方が強くて」と当時を振り返ります。

プロとアマチュアが混在するJ3リーグで進選手が結んだのは「アマチュア契約」で「週5日でアルバイトをして、試合の前もアルバイト」という生活でした。

サッカーと仕事を両立させながら、2年目にリーグ4位の15得点を記録。恵まれない環境を言い訳にせず、確かな存在感を示しました。

進選手は「実力がないから、そういう生活をするわけで、それが美談になるのも、自分は正直嫌なので。ただその経験っていうのは、今、僕自身の人間性って部分で、生きてるのかなと思ってます」と話します。

ここで培ったのは「ハングリー精神」。

その後、「プロ契約」を結んでJ2のクラブを渡り歩き、23年シーズン、パルセイロに加入しました。

進選手は開幕戦でいきなり得点を決めるなど、9試合で4得点。
貪欲にゴールを狙うプレースタイルで活躍します。



しかし23年7月、左ひざに大けがをして離脱。好調だったチームは、14位でシーズンを終えました。

進選手は「申し訳ないって気持ちが強かった。自分が引っ張っていかなきゃいけない勝たせていかなきゃいけない立場で悔しさが残る1年だった」と振り返ります。

迎えた、24年シーズン。

順調にキャンプで調整を進め開幕戦を目前に控えた24年2月末、左足の肉離れでリハビリを余儀なくされます。


進選手:

「向上心があればあるほど、けがのリスクは高いです、正直。ただそこがなくなってしまったら勝利につなげるためのプレーってできなくなってしまうので。そこの紙一重のところを、自分は攻めていかなきゃいけないと思いますし…」



ジレンマを抱えながら再びピッチに立つため、リハビリに励む毎日を支えたのは妻の聖愛(まりあ)さんです。

パルセイロに加入した去年1月入籍しました。


進選手:

「食事もそうですし、僕がけがしたときもそうですし、いろんなところで妻には支えてもらっているので。妻のために…じゃないですけど、そういう思いは常に、試合だけじゃなくて、サッカーをやっている上で常に意識してプレーするようにしています。そこは大きく変わったのかなと思います」

24年6月、ホームにYSCC横浜を迎えた一戦。後半、相手に傾きかけた流れを止めるため、けがから復帰した進選手が投入されました。

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