探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうで採取した砂などの試料を分析し、かつて水に満ちていた証拠を見つけたと、海洋研究開発機構(海洋機構、神奈川県)などのチームが10日付の英科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ」に発表した。アミノ酸のもとになる「ピルビン酸」など計84種の化学物質を確認。海や生命の起源を明らかにする手掛かりになると期待される。  りゅうぐうは「小惑星帯」の中にあり、地球と火星の軌道の近くを回っている。小惑星は地球誕生以前の太陽系の化学組成をとどめているとされ、生命に欠かせないアミノ酸や水などの供給源になったとの説がある。  チームの高野淑識・海洋機構上席研究員は「水をたたえていた小惑星があることが分かった。地球の水や生命の原材料が、外から運ばれたことが確かめられたと言える」と話した。  チームは、りゅうぐうの地表と地下から採取した砂から成分を抽出。水に触れると形を変え分解する「マロン酸」という物質の含有量が少ないことから、かつてりゅうぐうに水が豊富に存在したと結論づけた。


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