石川県輪島市内の商業施設で出張開催された輪島朝市で、川魚料理を販売する福谷春夫さん(左奥)と和子さん(同手前)夫妻=10日午前

 能登半島地震による大規模火災で開けなくなっている輪島朝市(石川県輪島市)が10日、市内で初めて出張開催され、川魚料理を販売する福谷春夫さん(80)と和子さん(80)夫妻が半年以上ぶりに店を出した。出張朝市は県内外で開かれてきたが、遠方のため出店できずにいた。なじみ客との久しぶりの会話を楽しんだ2人は「緊張したが、みんなの顔も見られてうれしい」と笑顔を見せた。  夫妻は30年ほど前からアユや「ゴリ」と呼ばれる小魚の甘露煮、手作り弁当などを朝市で販売してきた。アユは春夫さんが近所の川で釣り、ゴリは自宅で養殖。山で採れたキノコを店頭に並べることもあった。  1月の地震でゴリの水槽がひっくり返った。慌てて戻したが、約8万匹の半分が死んだ。それでも「魚を育てていたらトラブルはつきもの」と諦めなかった。  県内外での出張朝市に参加できずにいたが、金沢市の居酒屋などからゴリの注文があり販売は続けてこられた。4月には輪島市内の避難所で弁当の訪問販売も始めた。  朝市に出るのは約半年ぶり。商品は午前中で完売した。


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