ニュースエコーでは、「白球を追う」と題して、9日までの3回シリーズで夏の高校野球岩手大会の注目校を紹介します。1回目に紹介するのは、堅実な守備が光る春の県大会3位の大船渡高校です。

5月に行われた春の高校野球県大会の3位決定戦で水沢商業と対戦した大船渡。
5人のピッチャーによる小刻みな継投策で、毎回ランナーを出しながらも相手打線に的を絞らせず、失点を7回と9回のそれぞれ1点に抑えて5対2で勝利しました。
試合で光ったのは、投手陣の「打たせて取るピッチング」。
そして、それを盛り立てる堅実な守備でした。
(新沼英治選手)
「守りから(攻撃の)リズムを作れたのが春の大会の勝因だったので、リズムを作れたのがよかったと思います」

7月1日、9日後に迫る夏の岩手大会の開幕に向けて生徒だけで行ったミーティングでも、特に守備で一つ一つのプレーを大切にすることを確認しました。

春の県大会では、セカンドの佐藤千秋選手とショートの新沼英治選手が鉄壁の守備を見せ、2人の失策はゼロ。

チームとしても、守備に絶対の自信を持って夏の大会に臨みます。

(新沼英治選手)
「一つ一つ堅実なプレーを心がけているのでそこがストロングポイントかなと思います」
(佐藤千秋選手)
「自分の持ち味は(広い)守備範囲なので、守備範囲の部分でも自分の持ち味は出せたかなと思います」

今年の大船渡は、さまざまなタイプのピッチャーがそろっているのも魅力です。
大船渡の守備の要で、春の県大会の3位決定戦では1人で5人のピッチャーをリードしたキャッチャーの加藤志選手は次のように話します。

(加藤志選手)
「相手打線のバッターの特徴だったり狙い球の裏をかきながら配球できたのはよかったなと思います。(二遊間含め)春の大会は守備が全体的に安定していたので、打ち取る投球が持ち味のピッチャーが多いので、助かった面が多かった」

夏の大会でも小刻みな継投で変化を生み出す展開が多くなりそうです。

(加藤志選手)
「変則ピッチャーは県内でも数少ないと思うので、初対面の状態で打ちづらいところもあると思います」

サイドスローから繰り出す、変則的な投球が持ち味のピッチャー、豊間根陸人選手です。
3位決定戦では、9回裏にピンチの場面で登板し、無失点に抑えて勝利に貢献しました。

(豊間根陸人選手)
「打者からしても打ちづらい、捕る側からしても捕りづらいという癖のある球なんですけど、常にそれを出せる(投げられる)のは自分にとっての強みかなとは思っています」

夏の大会でも試合の終盤でマウンドに上がる状況が想定される豊間根選手にこの夏にかける思いを聞きました。

(豊間根陸人選手)
「どの試合でも後ろで自分の役割を果たして、
最後ゲームセットという声を自分が出させたんだぞという気持ちで常に一つ一つ勝っていきたいと思います」

堅実な守備と、タイプが異なる投手たちが生み出す変化で目指す岩手の頂点。
プロ野球で活躍する先輩の佐々木朗希投手も成し得なかった、1984年の夏以来となる甲子園を目指します。

第3シードの大船渡は大会7日目の7月16日に、盛岡南と水沢の試合の勝者と対戦します。

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