「東海道・山陽新幹線」記念すべき2024年度 50年前に何があった?
来年3月10日で、東海道・山陽新幹線は「東京-博多全通50年」を迎えます。
RSK山陽放送(1953年創業)は71年に渡る放送の歴史の中で、新幹線に関わる数多くの貴重動画を保存していて、「RSKイブニングニュース・YouTubeチャンネル」では、再生リスト「新幹線・貴重映像大集合」にて、そのうち37本の動画を公開しています。
RSK山陽放送では、37回シリーズ(予定)で、その内容を画像を交えてインターネット記事として紹介していきます。
【1回目】「君は新幹線「951形」を知っているか?「0系」でも「100系」でもない2両編成の超貴重画像を発掘」
【2回目】「新幹線『0系』ビュッフェにあった『速度計』覚えてる?そして急行電車『153系』など貴重な画像も」
【3回目】「君は『特急はと』を見たことがあるか?新幹線博多開業で姿を消した『ボンネット型485系・はと』最後の雄姿」
【4回目】「新幹線100系『2階建て』『ロングノーズ』衝撃のデビュー『2階建て車両1階 めちゃめちゃ小さな窓』の正体は?」
【5回目】「新幹線100系『最高時速230キロ化』へ走行試験(1988年)キャスターが試乗会で同乗したら『時速231㎞出てた!』」
そして6回目は「青鼻の新幹線現る!その正体は?」です。
0系新幹線の鼻が「青い!」いったいこれは何なんだ?!
【画像①】は、プラットホームに滑り込んでくる、いつも通りの(今はなき)「0系新幹線」かと思いきや...。
こいつ、、、鼻が青いぞ!!ニュータイプか?!(【画像②】)
昨年12月、「RSKイブニングニュース」YouTubeチャンネルにアップする動画を探していた際に、思わず見つけたこちらの動画。
これは何だろうと「新幹線」「青鼻」とネット検索に掛けてみても、プラレールの画像しか出てきませんでした(いま検索すると、弊社YouTubeチャンネルがトップに出て来ます)。
という訳で、勝手に命名「青鼻新幹線」!ちなみに青鼻の部分には何が書いてあるのでしょうか?別のカットを見てみると...。
【画像③】のような文言が書かれていました。よく見ると、青色も「水色」と「濃い青」のツートンカラー!何だか野球ボールのようなデザインです。
おそらく「何かPRしたいこと」が発生した場合に、本来の「白鼻」とチェンジして取り付けられるようになっていたんでしょうか?
新幹線の「鼻」に詳しい方はいないものかと、令和のいま実在する0系がどこにあるか思いを巡らせ、思いついたところに電話を掛けてみたところ、四国鉄道文化館【画像④】(愛媛県西条市)の館長・加藤圭哉さんが詳しく教えてくださいました。
そう、この四国鉄道文化館には、【画像⑤】のような0系が展示されているのです。この写真の「堂々たる鼻!」これぞ0系という感じですよね。
そもそも0系の「鼻」ってなんなんだ?!中には何が?
館長でもともとJRで働いていらっしゃった加藤さんによると、この鼻の中には「連結器」が入っているそうで、自走できなくなったときに鼻を外して中から連結器を引っ張り出して、専用の救援用ディーゼル機関車と連結して引っ張ってもらうんだそうです。
そして加藤さんから驚きの情報が...。
「実は東海道新幹線のデビュー当初、あの鼻がほんのりと光っていたんですよ」
マジですか?!曰く、当時は鼻の部分はアクリル樹脂製で、中にライトがあって、黄色っぽく光っていたんだそうです。その後は安全面を考慮してFRP製となったとのことでした。
なお、四国鉄道文化館では3か月に1回、【画像⑤】の鼻を外して子どもたちと連結器を引っ張り出すイベントを行っているそうで、次回開催は9月22日を予定しているそうです。
そんな加藤館長も「それは珍しいのではないですか?」とおっしゃったのが、「青鼻」の新幹線。この試乗会に、当時の「イブニングニュース」の島田博キャスターがレポートしていた模様を、今回はお届けします。
「グレードアップ新幹線」?何がグレードアップした??
(RSK 島田 博キャスター)
「外観は何の変哲もない新幹線なんですが、これが実は来年(1988年)JR西日本が大きな増収の期待をかけております、『グレードアップの新幹線』なんです。中がどう違うのか早速乗り込んでみましょう」
さぁ、車内は「通常の0系」とどう違っているのでしょうか?
当時は画期的だった「座席配列」に
【画像⑦】のように、岡山からゆっくりと西に向けて走り出した、0系「青鼻」バージョン。この日、目指すは広島駅です。
その車内はというと...令和では見ることのない、なかなか時代を感じさせてくれるフォントと色使いの中吊りをまず発見!【画像⑧】のように「JR西日本 グレードアップひかり」の文字が刻まれていました。
そうか、ひかり号がグレードアップするのか...でも何を??
(島田博キャスター)
「さて、この室内に入りまして…まず目立ちますのは、この1列が4人掛けとなっている点なんです。これまでに比べまして、だいぶこの通路の方も広くなっております」
そう、これまでと大きく異なるのは、自由席・指定席が横並びで「2₊3」シートだったのが、【画像⑨】のように「2₊2」と座席数が減り、広々としている点なのです。
(島田博キャスター)
「それからこの座席の色なんですけども、私が今いる2号車は偶数なんですが、この偶数車両がこのブルー系(【画像⑩】)」
「そして奇数車両がワインレッド系(【画像⑪】)というふうになっております」
【画像⑩⑪】の色違いのシートはオシャレですね。
一方で、この日のために設置されたであろう万国旗と、立つと頭に当たりそうな青・白・赤の半円形の「オープン幕」は、とても「昭和」を感じさせてくれます。その下に座ってらっしゃる、【画像⑪】のメーテルのようなお帽子を被ったお二人は、キャンペーン担当の方たちでしょうか。
(島田博キャスター)
「さて、肝心のこの座席なんですが、座席の幅がこの広さ(【画像⑫】)ですね。3センチ広がっておりまして、奥行きも2センチ深くなってると…だいぶゆったり座れる感じがします」
リクライニングに沈む島田キャスター
(島田博キャスター)
「このリクライニング角度なんですが、こちらの方もこれまでの『22度』から『31度』と、9度ほどより深く倒れるようになっております。なんだか普通車に乗っているというよりは、グリーン車に乗ってるという感じがしますね」
リクライニングを試す島田キャスター。心地よい傾きに【画像⑬】の如く、マイクを持ちながらどんどん体が沈んでいっています!
ビュッフェが何だか変わっているぞ!
実際に試乗している人たちにもインタビューをしていました。その乗り心地は?
ー足元はどんな感じですか?
(試乗した人)
「前の車両に比べて広く感じますね。前は膝と膝があたって、上下どちらかずらすとかですね、左右にずらすとかやっていましたけど、こちらは楽ですよね」
とはいえ、【画像⑭】はギチギチ感が否めない...新幹線は、車内もこのあとどんどん進化していったという訳なんですね。
(試乗した人)
「よろしいですね。これだったらグリーン車に乗らんでもいいな、と思ってね。これを東京まで運行してくれると、非常によろしいですね」
そして、この新幹線の特徴とも言えるのは「ビュッフェ」が、「カフェテリア」に改造されていたところです。【画像⑮】はその入口。こちらも青・白・赤のオープン幕がにぎやかですが、中に入ってみると。。。
それまでの0系とは異なる配置の座席、テーブルも新設されていました。そして天井にはイギリス!スイス!スウェーデン!日本!...「これでもか!」と万国旗が飾られているのは、さすがに常設ではないですよね?
旅行会社「これはかなり売れるぞ!」
この試乗会には、旅行社の方も参加していました。どんなプランを練っているのでしょうか?
ービジネス以外に、観光用としてもかなり使えそうですか?
(旅行社の男性)
「問題は『座席数がどれぐらい確保できるか』というところが一番ポイントになると思うんですけどね」
「それが例えば3両ぐらい指定席が確保できるということになれば、かなり売れるんじゃないかなっていうのは思いますけどね」
(島田博キャスター)
「そろそろ広島に到着したようです。今日の試乗会おおむね評判のほうよかったようなんですが、果たしてJRの思惑通りこの新幹線が増収につながりますかどうか、来年(1988年)3月の登場を待たれます」
こうして翌年「グレードアップひかり」は、「ウエストひかり」として6両編成でデビュー。JR西日本は、このような「快適性を目指した独自の編成」を導入し、その精神は、以降の「ひかりレールスター」「さくら・みずほ」などに引き継がれていくのでした。
次回は、新幹線の居住空間がこれ以上に快適に?!「100系・さらなる新型デビュー」7月13日配信予定です。
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