新潟県聖籠町で、消火用のホースの先端に付けるノズル1本を盗んだ疑いで29歳の男が逮捕されました。ノズルがなくなる被害は今年に入って、村上市で178件、聖籠町で70件起きていて、警察が関連を調べています。

窃盗の疑いで4日に緊急逮捕されたのは、村上市勝木の無職・加藤尚斗容疑者(29歳)です。警察によりますと、加藤容疑者は、6月17日ごろから7月4日までの間に、聖籠町の商業施設の敷地内に設置された消火栓の格納箱から、真ちゅう製のノズル1本を盗んだとして、窃盗の疑いが持たれています。加藤容疑者は「消火用ホースの先端を盗みました」と容疑を認めているということです。

新発田警察署では今年2月から4月中旬までの間に、およそ70本のノズルが盗まれたという被害届や相談を受けていて、捜査線上に加藤容疑者が浮上。
4日に警察がインターネットカフェの駐車場で加藤容疑者の車を発見し、職務質問したところ、火事の消火に使うホースの先端に付ける真ちゅう製のノズル15本が、車から見つかったということです。すべて盗まれたものとみられています。

消火用のノズルがなくなる被害は、新潟県村上市でも相次いでいます。

村上市消防本部によりますと、2023年度は65本、2024年度に入ってからは7月3日までに178本のノズルがなくなっているということです。

【記者リポート】
「地域住民によりますと、こちらも被害に遭ったということです。消火器具入れの中を開けてみると、ホースはあるんですがノズルの部分がありません!」

ノズル6本全てがなくなったそうです。
「先月の点検の時にはあったので、たぶんここ1か月くらいの間だと思う」

村上市では、荒川地域・神林地域・山北地域を中心に市内ほぼ全域で被害が確認されていて、村上市消防本部では、これだけ大量の被害は過去になく、初めてのことだといいます。

すぐに消火ができるよう、ホースやノズルの保管場所に普段から鍵はかけません。
1本2万円相当の真ちゅう製のノズルは、アルミ製のものに比べ高く売れるということで、警察では換金目的とみています。

【消防団員ら】
「初期消火ができなくなる」
「ホースだけだと放水ができないんで、先端がないと不便ですね」
「異常だとは思います。できるならやめてほしい。シンプルにやめてほしい」
「生命・財産を守るための道具だからね、それはだめですよね。絶対にね」

被害が相次いだため、苦肉の策として、鍵をかけられる別の場所にノズルを移し、保管するなどの対応を強いられているということです。

相次ぐ被害について、今回逮捕された容疑者との関連は明らかではありませんが、警察では余罪も含めて捜査をしているということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。