「恵」の利用者が行き場を失うおそれがある問題で、名古屋市が支援チームを立ち上げました。

5日、名古屋市緑区にある「恵」のグループホームを視察に訪れたのは、障害福祉の専門家たち。名古屋市が立ち上げた「利用者支援チーム」です。

市内には「恵」が運営する事業所が6か所あり、合わせて73人の障害者が入居していますが、この利用者たちの受け入れ先を確保するのが役割です。

(支援チーム座長 愛知淑徳大学 瀧誠教授)
「『そのまま残る』『転居する』という決定だけでなく、その後の支援も含めて伴走的に考えていくことが大事」

全国で障害者向けグループホームを運営する「恵」は、食材費の過大徴収など数々の不正が発覚し、一部事業所が指定取り消しになる処分を受けました。

利用者の母親「住む所や職員が変わると敏感に感じ取る」

さらに国が「連座制」を適用したことから、全国に約100か所ある恵のグループホームは、すべて数か月から数年以内に運営できなくなる見通しで、利用者たちは転居を余儀なくされるおそれもあります。

利用者の家族からは、こんな不安の声が。

(「恵」利用者の母親)
「住む所や職員が変わると敏感に感じ取る。新たなパニックを引き起こしたり生活が安定しない」

名古屋市が市内のグループホームに空き状況を確認したところ、115の事業所が合計443人受け入れ可能と回答したということですが、障害の特性によっては入居できる施設が限られる場合もあり、支援チームは一人一人の事情に合わせた受け入れ先を探したいとしています。

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