20年ぶりとなる新たな日本銀行券(新紙幣)の取り扱いが始まる。
どんなお札なのか、早く手にしたい人、もう手にした人、特に意識していない人…様々だろう。
しかし、”おカネ”は私たちの生活とは切っても切れないものだけに、知っておきたいポイントがいくつかある。
そして、新紙幣が流通するこのタイミングで、新手の詐欺にも注意する必要がある。そのポイントも掲載する。
今回は紙幣のプロフェッショナル、日本銀行山形事務所の川村憲章所長に話を聞く。
新紙幣はこうして誕生した!
そもそもなぜ、新紙幣を発行するのか。
それはズバリ「偽のお札を作られないようにするため」だという。
近年の印刷技術などの向上は無視できるものではない。家庭用プリンターでさえも高解像度のコピーが可能な時代。
基本的にお札はコピーできないように機械にプログラムされていることが多いが、安心はできない。
そのため、お札も新たな技術を投入して自己防衛を図らねばならないのだ。
川村所長は「引き続き安心してお金を使えるようにするため、新しい偽造防止技術を追加し、新しい銀行券を発行する」と話す。
新たな紙幣はこの3種類だ!
紙幣に描かれている人物は、1万円札が、これまでの福沢諭吉から、渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)に。
5千円札が、これまでの樋口一葉から、津田梅子(つだ・うめこ)に。
千円札は、これまでの野口英世から、北里柴三郎(きたさと・しばさぶろう)にそれぞれ変更されている。
偽造防止を目的としている新紙幣。日本銀行は以前からこう言ってはばからない。「日本の偽造防止技術は世界一だ」と。
ならば見せてもらおう。新しい紙幣の特徴は、これだ!
世界一にして世界初の技術
日本銀行山形事務所の川村憲章所長によると、新紙幣には「世界初の偽造防止技術を2つ採用している」とのこと。
じっくり見てみよう。
まず1つ目は・・・『3Dホログラム』
お札を傾けると、赤枠部分の虹色に輝く肖像画が浮き出るだけでなく、左右に動いて見える!これは手に取るとじっくり見てしまう、まさにびっくり技術だ。
2つ目は『高精細すき入れ』
「すき入れ」とは、いわゆる「すかし」のこと。
光を通すと、絵柄が美しく浮かび上がってくるのはみなさん知っての通りだろうが・・・これまでとの違いがお分かりだろうか。
これまでは、お札の肖像画の部分だけが「すかし」になっていたが、新しいお札では、背景が加わった。この背景が、「細かいすかし」になっているのだ。
『3Dホログラム』と『高精細すき入れ』が入った新紙幣。日本の高度な技術を使い、より偽造がされにくいデザインになったというわけだ。
しかし、新紙幣誕生に感動しているだけではいられない。
注意しなければ、大変なことになるかもしれない。
警察が注意を呼びかけ
デザインや技術に注目が集まる中、国や警察がしきりに注意を呼び掛けていることがある。
それは、詐欺だ。
20年ぶりの新紙幣の発行。このタイミングは、詐欺師にとっては”20年ぶりのお祭り”なのだ。
ここぞとばかりに「古い紙幣は使えなくなる!」「新紙幣と交換しなければいけない!」などと嘘を言い、現金(旧紙幣)をだましとる詐欺が発生する恐れがあるという。
何ともタチが悪い・・・。
日本銀行山形事務所の川村憲章所長もこう呼びかける。
「新しいお札を発行した後も従来の銀行券は引き続きご利用いただけます。新しい銀行券に交換する必要はありません。『今のお札は使えなくなる』といった誤った情報や詐欺にご注意ください」
おカネは、おカネ。使えます。
何なら昔の100円札だって今も使えます!! 100円だけど。
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