全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の声明で名誉を傷つけられたなどとして、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「世界平和女性連合」が全国弁連の弁護士ら7人に計3300万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は1日、「違法な表現と言えず、名誉毀損(きそん)は成立しない」として、女性連合の請求を棄却した。

判決後に記者会見する山口広弁護士㊥ら

 判決文によると、全国弁連は昨年6月、全国の自治体に対し、女性連合の行事の会場として、公共施設を貸さないよう求める声明を公表した。声明では、女性連合が「金銭被害、家庭破壊、人権侵害などを生み出し続けている」ことが明らかな旧統一教会の「ダミー団体」「『かくれみの』的団体の一つ」と表現した。

◆声明は「意見や論評の域を出ない」

 判決理由で新谷祐子裁判長は「女性連合と旧統一教会は創設者が同じ。創設者は女性連合で会長を任命する権限があり、究極の権威を有する象徴」なのは「女性連合が認めている事実」と認定。声明は「意見や論評の域を逸脱していない」と判断した。自治体への働きかけが「差別的取り扱いを勧奨する宗教ヘイト」で違法とする女性連合の訴えを退けた。  判決後の記者会見で、訴えられた7人の弁護士の1人で全国弁連代表世話人の山口広弁護士は「こうした表現で自治体に要請して問題ないと裁判所が認定した。行事に参加した人がだまされ、人生を間違えることがないよう、自治体への要請を続けていきたい」と話した。(加藤益丈) 

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