神社仏閣で相次ぐ“いたずら”。東京・靖国神社ではスプレーによる落書き、京都・知恩院では国宝を傷つける行為が発生しました。こうした事態に寺社だけでなく参拝者も憤っています。

国宝「三門」の柱に刻まれたアルファベットのような文字

 京都・知恩院。浄土宗の総本山として広く信仰を集めています。

 (兵庫からの参拝者)「母の(月)命日なんですよ。毎月21日に知恩院さんにお参りに来ています」
 (千葉からの参拝者)「一番好きなところ。なんかにおいとか、聞こえるお経の音とか、若手のお坊さんたちが一生懸命、池の掃除しているところを見たりとか」

 しかし6月18日、信仰の対象を侮辱するかのような出来事が起こりました。
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 (知恩院 新谷仁海執事)「SDと書いてある。かなり硬い表皮ですから、かなり力を入れないと、このような形で表すことはできないと思います。ものすごく憤りを感じました」

 怒りをあらわにする新谷仁海執事。国宝「三門」の柱に刻まれた、アルファベットの「S」と「D」のような文字。横幅10cmほどの範囲で傷がつけられています。
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 (知恩院 新谷仁海執事)「“念仏の道場”と言われるところを荒らされたっていうような思い。自分たちの聖なる域にこのようなことをされたら、やはり多くの方たちもショックと憤りを感じているんじゃないかなと思います」

 被害があった三門は1621年に建立。高さ24m、幅は50mあり、国内最大級の木造の門として知られています。傷つけられた三門を見た参拝者は…
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 (神奈川からの参拝者)「考えられないですね」
 (神奈川からの参拝者)「ずっと大切に守ってきているものが、このように傷をつけられたら本当に残念ですよね。自分たちも傷つけられたような気持ち」
 (アメリカからの参拝者)「落書きは最悪だ!そんなやつは2~3年は“刑務所行き”だ。歴史があるものに尊敬がない」

 こうしたいたずら被害、ここだけではありません。

靖国神社ではスプレーで「Toilet」 東大寺ではネコのような落書き

 中国のSNSに投稿された動画。映っている場所は東京の靖国神社。1人の男が石柱に登ると、放尿するしぐさを見せます。

 さらにポケットからスプレーを取り出し、英語で「トイレ」と落書き。男は何食わぬ顔でその場を立ち去りました。
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 そして、奈良の東大寺でも。去年8月、国の重要文化財にネコのような落書きが見つかりました。遠目からでも分かるほどの大きさで書かれています。
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 さらに、同じく奈良の世界遺産・唐招提寺でも、去年7月、金堂の柱に傷がつけられる被害がありました。こうした迷惑行為、「ふざけていた」という言い訳は通用しません。

最新の防犯カメラや赤外線センサーなどで“いたずらしにくい”環境作り

 こうした事件を受け、防犯対策を求める声も高まっています。セキュリティシステムの専門企業「セキュリティハウス・センター」は、夜間でもカラーで撮影することができる最新の防犯カメラや、部外者の侵入を感知する赤外線センサーやサイレンなどを販売しています。

 (セキュリティハウス・センター 宮垣祐輔さん)「こちらの防犯カメラは、お寺関係でも好評いただいている商品です。落書きやいたずら対策にも、万が一被害があった場合でも証拠になりやすい、いい映像が残せる。『ここはいたずらしにくいな』と思わせるそういったシステムを入れることによって、そういった犯罪が軽減していくかなと感じます」

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