東京電力は28日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の放射性物質のトリチウムを含む水について、通算7回目となる海洋放出を始めたと発表した。今回は7月中旬の終了を予定している。  海洋放出は昨年8月に始まり、本年度では3回目になる。今回の放出量は約7800トン。トリチウムを含む処理水は、大量の海水と混ぜて濃度を国が設定する排水基準の40分の1未満にする。本年度は計約5万4600トンを7回に分けて放出する。  原発周辺での東京電力の海水測定では、これまでに1リットル当たり最大29ベクレルのトリチウム濃度を検出。国の基準の1500ベクレル未満を下回っている。  一方、放出に反対する中国は、水産物の輸入禁止を続けている。東京電力によると、処理水放出に伴う風評被害への賠償件数は19日現在で約120件180億円に上る。(荒井六貴) 

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