夏に、軒下につるして涼感を楽しむ「つりしのぶ」の出荷が、東京都江戸川区の「萬園(よろずえん)」で最盛期を迎えている。  ヤマゴケを巻き付けた竹材にシダ植物のシノブグサなどをはわせた観葉植物。区によると、江戸時代に庭師が中元の贈り物用に作ったのが始まりとされる。1960年ごろまでは区内で20軒ほどが生産していたが、後継者不足などで、萬園が都内唯一の専業生産者となった。

出荷を待つ「つりしのぶ」=27日、東京都江戸川区で

 生産者の深野英子さん(75)は「毎年見られるようにしっかり手抜きをせずに作っている。つり下げたり置いたりして、涼を楽しんでほしい」と話した。園では今年、約10種類・150個ほどを生産する。  区のアンテナショップ「エドマチ」や催事などで販売している。売り切れ次第終了。(川上智世) 

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