大分県別府市で起きたひき逃げ死傷事件から29日で2年。遺族や支援者が別府警察署を訪れ、重要指名手配されている八田與一容疑者について、殺人罪への容疑変更を求めて署名を提出しました。また、事件の生存者や八田容疑者を知る人物から取材を通じて得られた証言を再掲します。
時効がない殺人罪への変更を
(別府願う会)「殺人犯としてもっと攻めの捜査をしていただけるような形で進んでいただきたい」
29日で事件発生から2年となるのを前に遺族や支援者らが別府警察署を訪れ、公訴期間が7年のひき逃げ容疑から時効がない殺人罪への変更を求めて7万7000人を超える署名を提出しました。
(被害者の友人)「事件の日からずっと時が止まっている気がしていて彼がいない事への喪失感がすごい強くあります。何とか事件解決に向けて進んでくれたらうれしい」
このあと、支援者らが事件現場を訪れ雨が降りしきる中、花をたむけ手を合わせていました。
(別府願う会)「事故現場に来るたびに私たちも早くどうにか事件を解決しないといけないという気持ちになります。みなさんもまだ解決していない事実を意識してほしいと思います」
八田容疑者…キレたら何するか分からない
いまだ逃走を続けている八田容疑者は一体どんな人物なのか?去年、OBSの取材に対し、容疑者の学生時代の友人は「明るい性格の半面、キレると怖い一面もあった」と語っていました。(以下、2023年6月の記事を編集して再掲)
容疑者を知る友人:
「基本的にみんなと和気あいあい、性格が明るい方なので人見知りもしないし、にぎやかで楽しかったが、キレたりしてちょっと怖いなと感じたりもしたし、この人キレたら何するのか分からないなという感じがした」
こう語るのは八田容疑者の学生時代の友人です。学生当時、八田容疑者は千葉から熱海まで100キロを超える距離を自転車で走破するなど行動的な一面があったと振り返ります。一方で、気に入らないことがあると相手に詰め寄ったり、声を荒らげたりする姿をみせたそうです。
容疑者を知る友人:
「びっくりしたのと同時にありえなくはないなと思った。体力はあると思うのでどこでも生きていけると思う。生きることに執着があると思うので山にこもってるのかなとか、ほかの県にも歩いて行って別のところで住んでいるかもしれない」
事件の生存者が証言
事件が起きたのは2年前の2022年6月29日。別府市野口原の県道で赤信号で停車中のバイク2台に八田容疑者が運転する軽乗用車が追突。大学生1人が死亡し、1人がけがをしました。
被害にあって生き残った男子大学生は去年、「自分が事件の本当の真相を話すことで、解決に繋がるのであれば」という理由で、当時の状況を証言してもらいました。(以下、2023年6月の記事を編集して再掲)
この男子大学生と亡くなった男性は、商業施設で買い物を終え、それぞれが駐車場の別々の出口から出ようとしました。亡くなった男性側の出口に突然現れたのが、八田與一容疑者でした。
「彼(亡くなった男性)が誰かと話しているのが見えたので、待っていました。遠目からだったので、友達と話しているのかなという感じで。本当にもう15秒~30秒もないぐらいの会話だったので、気にも留めずそのまま合流しました」
「合流したときに、『あれ誰やったの?友達?』と聞いたら、『変なやつに絡まれたんよね』という話でした。(八田容疑者が)スピーカーで爆音で音楽を流しながら、歩いてきたらしくて、パッと目が合ったんですかね。向こうが多分いちゃもんつけてきた」
「僕の友達はすぐ謝ったらしいんですけど、そこから『ここ原付通ったら悪いんじゃね』みたいな、よく分からないいちゃもんをつけてきて…ぐらいの話だったらしいですね」
「その後犯人は、僕とすれ違って、向こう(商業施設の駐車場内)の方に行きました。車にどう乗ったかなどは、見てないです。普通の一般人だと思って見ていたんで、全然怪しまず、気にも留めず…まさかこんなことになると思わなかった」
スピードが異常…殺しに来ている
合流した2人は、商業施設から500メートルほど一緒に走行をし、交差点で信号待ちをしていました。
「さっきの犯人について『どうせ変なやつやから気にせんどき』って、会話をひと言ふた言をしながら、(信号を)待っていたら、すごいアクセル踏む(エンジンの)音がした」
「ベタ踏みの音がして、なんやろ?と思って、バイクのミラーで見たら、もうヘッドライトがすぐ近くに迫ってきていて、これやばいと思って、友達にそのことを伝えようとしたんですけど、パッと見た瞬間、目が合った瞬間にもう、後ろから突っ込まれた」
「本当に0.5〜1秒たたないぐらい。気づいてから、一瞬でした」
軽乗用車に追突された2人は、10m以上飛ばされました。本人は軽傷。友人の男性は病院で死亡が確認されました。
「飛ばされた直後、すごい周りがガヤガヤしているのが聞こえて、もうろうとしながら、もう友達のことを気にかけて、行こうと思ったんですけど、はうことしかできなくて、そこで意識が飛びました。意識が戻った時には救急車の中でした」
「スピードが本当に異常だったんで、もうぶつけられた瞬間に『絶対アイツや』って思いました。そのぐらいなんかもう、殺しに来ているなっていうのはすごい感じました」
「赤信号で止まる車が出すような音じゃないアクセルの踏み方。僕らを見つけた瞬間、踏んだかのような感じで来たのは、すごく覚えています」
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。