若者が地方で活躍する『地域おこし協力隊』。全国で最も多いのは北海道ですが、1人でも多くの人に来てもらいたいと、新たな取り組みを始めた町があります。
今年も、サクラマスの遡上が始まった北海道オホーツク地方の清里町です。
大きな『斜里岳』を眺めながらのランチ。集まったのは『地域おこし協力隊』への応募を考えている若者たちです。
6人は最終面接を前に、清里町を“体感”するために、遠くは福岡県からやってきました。
滋賀県からの参加者
「私は登山が好きなので登山ガイドのプロジェクトでエントリーをしている」
最近、よく耳にする『地域おこし協力隊』。人口減少や高齢化が進む地方で文字通り“地域おこし”をしながら、地域への定住を目指す、国の取り組みです。
一方で“想像と違った…”と、トラブルになることもあり、そんなミスマッチをなくそうと、清里町が開いたのが“現地訪問会”です。
清里町 古谷一夫町長
「来られる協力隊のメンバーが何をしたいのか…地域をきちんと学んでいただいて、そこで自分の生き方として、どういった形に捉えていくのか」
“現地訪問会”参加した6人は、住宅やスーパーを回りながら、冬には、マイナス20度まで冷え込む生活に思いを馳せていました。
そして、2日目の夕方には、住民との焼肉パーティーで交流を深めます。
現地訪問会に参加した男性
「清里町って、すごい潜在能力、ポテンシャルを持っているんだなっていうことを感じ取れたので、これからの活動がまた楽しみになったと思う」
現地訪問会に参加した女性
「もっと若い方いない…と思ってたんですよ。なので、若い方が意外といるんだ!とか、すごく皆さんが“清里が好き”っていうところを見ることができたのが、すごい良かった」
『地域おこし協力隊』の候補者たちは今月28日、最終面接に臨み、任命されると最速で今年8月から活動することになります。
地域おこし協力隊は2009年にスタートした制度です。
その目的は人口減少や高齢化などの課題を抱える地域に“移住”することです。
そして活動内容としては農林水産業への従事することだったり、地域の魅力は発信するPR活動だったり、また地域住民の支援…、たとえば地元のお祭りに参加することなども含まれます。
任期期間は1年以上、3年以内となっています。さらに任期終了後は、その地域に定住することが原則となっています。
ただ「地域おこし協力隊」の課題としては、任期終了後の定住率の全国平均が【53.1パーセント】(総務省調べ)となっています。
定住率が伸び悩む、主な要因としては「移住前に聞いていたことと現実が違っていた…ミスマッチング」「地域住民とうまくいかない」「定住後のサポートがない」などとされています。
こうした課題解決には、やはり、地域に暮らす皆さんと、地域おこし協力隊との間の理解や協力が欠かせないようです。
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